苦しい一日

有光智彦

2011年02月15日 00:56

今日は,砂の投入を始めると告げられていた日です。
私のお家は南部なので早めに出発しました。
東江の現場に着いたのは早朝の6時。
あぁちょっと早すぎたねぇと言っていると相棒がエンジンの音がする
というので,まさかと思いましたが,とりあえず護岸に駆けつけました。
そこではなんとパワーシャベル2台がうなりをあげていました。
まだ辺りは真っ暗です。時間は6時20分。目を疑いました。
2台の重機は4日前に置いて行った砂の山を周囲に広げて整地していました。
私たちは2人,危険だし,海に砂を入れているわけではないので,
遠巻きに見ていました。
でも,パワーシャベルは護岸の端まで来ると砂を海に入れ始めました。
最初は整地の勢い余って砂が海に入ったのだろうからと思っていると,
そうではなく故意に砂を海に入れていることがわかりました。
私は,一瞬迷いましたが,駆け寄って護岸に立ちました。
この行動に賛否両論があると思いますが,あえて起こったことを
知ってもらうために書きとどめたいと思います。
何かを守ろうとする時以下の写真のような状態が,この日本では
起こり得るということです。









私は,話しあいで解決したいと常に思っています。
人として普通のことです。
海に砂を入れる前に県や市の行政,防災の専門家,護岸工事の専門家,
サンゴと海洋生物の博士,地元の方々,我々などの有志などが,
この海と防災のことをすべて公開し話しあい,良い解決方法を模索する
会議の場をつくってほしいと当初から北部土木事務所に要望してきました。
しかし,これは実現していません。


この緊迫した現場で,現場責任者に話しあいをしましょう,人がいるのだから
危険なことは止めてくださいと嘆願しましたが,立ち入り禁止の現場に
入る方が悪いと言って聞きませんでした。
パワーシャベルは何度も私たちのすぐ横や目の前に腕を振り上げました。
生きた心地はしませんでした。心細かったです。



そのうち,有志の数人が加わり手を広げて海への砂の投入を止めるように
伝えましたが,駄目でした。

朝が来て,7時5分に2台のパワーシャベルのエンジンが切られました。





その後,砂を積載したダンプカーが一台現場に入り,夕方まで待機しました。
私たちも,現場に一日中とどまりました。
雨が降り,北風が吹きつけました。ぶるぶる震えました。
護岸から流れた砂が波で削られ海を白く濁らせました。
数人で砂を上に上げる作業を続けました。

海の中の状況を撮影しました。



白濁の中は視界が全くありません。
生きものに与える影響が心配です。

とうとう県行政の職員は誰も現場にきませんでした。
話しあいは一度もなされないまま1日が終わりました。

この工事の実権の責任は県庁の海岸防災課にあるのか,それとも
北部土木事務所にあるのか何度聞いてもはっきりしません。
いったいどうなっているのでしょうか。

長い1日でした。

みなさんはどう思いますか。

私たちは少人数です。それも普通の市民です。とても怖い思いをしました。
明日も続きます。

もし,賛同されるなら恐縮ですが,以下の行政機関に
会議の場を設けるようにお願いしてください。

・沖縄県土木建築部海岸防災課 
 電話 098-866-2410
 Fax:098-860-3164   
 mail aa065300@pref.okinawa.lg.jp

・沖縄県北部土木事務所 
 電話0980-53-1255        
 FAX:0980-53-5804
 mail   xx060011@pref.okinawa.lg.jp

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