汚濁防止膜

有光智彦

2011年03月27日 00:39

海を砂で埋める現場を見るのは初めてなので,周囲にどのような影響が
あるのかも記録するように務めています。
その一つに汚濁防止膜がどれぐらい役に立つものかということも
調べてみたいと思います。



汚濁防止膜は地上からではオレンジ色のフロートが横一列に並んでいる
ようにしか見えませんが,海中では厚手のビニールが海底まで
ぶら下げてあります。



しかし,潮の高さの変化により膜の下辺が海底から上がってしまい
外洋と通じてしまっているときがあります。



工事が開始される前から一本張られていたのですが,海底の岩礁などに
接触し破れていたり,継ぎ目のひもがほどけたりしていました。





私たちの指摘により北部土木事務所は,工事前に2本目の汚濁防止膜を張りました。
が,これも傷んでいて,私が見つけた部分は写真の通りでした。



機能上,膜の接続部の構造が海の外力に持ちこたえないようにも思えます。



それにしても乱暴です,生きものの上に重りのチェンが乗っています。



実際,地上から白濁した水が外洋に流出しているのを見ることができました。



その部分を確認するために潜水して見てきましたが,海中は外から見る以上に
白濁していました。水を採取し,濁りの度合いを測定します。
写真はペットボトルに採水する相棒の手元を1メートル離れた距離から
撮影したものですが,かなりの白濁が認められました。



海面の泡などは外海に流れ出しませんが,白濁は
どうしても流れ出てしまうようです。

どうみても適切に機能している装置でないことは確かなようです。
大切なことは,汚濁防止をきちんとやってますという形をつくるのではなく,
実際に機能する防止膜を使うことではないでしょうか。

汚れは今日も清らかな海の海面を覆っています。


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