泡瀬調査

有光智彦

2010年06月30日 18:47

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 6月20日に泡瀬のリーフチェクに参加しました。
 リーフチェックとは,世界の1,000ポイント以上で実施されている
サンゴ礁の健康状態を把握する調査手法です。
 調査は世界統一規準で行なわれているため,サンゴ礁の状態を他の地域と比較し,
評価することができます。

 私は,撮影者として参加するため,調査には関わりませんが,
連続して同行しているため,サンゴや生きものの変化を認識しています。
 調査点は,ヒメマツミドリイシ群落です。



 私は,調査の間,測定に影響の無い距離を保ち撮影をします。
 ヒメマツミドリイシ群落は,あちらこちらでサンゴが傷んでてますが,
 この群落を以前から知る者は,ここが,とぎれることもなく続く美しい
サンゴの林が続いていたといいます。
 下の写真は,その頃友人が写したサンゴの産卵の様子です。



 すべてが健康なサンゴだったといいます。
 とても残念なことです。

 少しばかり嬉しく思ったことは,今まで朽ちていたサンゴの上に
新しいサンゴの枝が広がっていたことです。



 しかし,これは私の五感による感想なので正式なリーフチェクの結果を
待たなければなりません。
 泡瀬の埋立工事は現在も停止しています。ゲートにも警備員すらいません。
 泡瀬の海のど真ん中に石で囲まれた広大な護岸が鎮座しているだけです。
 静かになった海の環境が良くなる方向に向かっていることを願うばかりです。

 サンゴの撮影をしていると,目の前にスクの群れが来ました。
 スクはアイゴの稚魚のことで,沖縄では瓶詰めにしてスクガラスとして
売っています。私が見た稚魚たちは,体長が約2センチ前後で,クガニ色(黄金色)
に輝いていました。どの魚も子どもなので,表情がとても愛らしいものです。



 泡瀬干潟の埋立は中断されたままの状態が続いています。
 経済的合理性のある計画ができない時は埋立事業を中止すると,再選した
沖縄市東門市長は公約していますが,まだ答えを出していません。
 この間にも,護岸で囲まれた海域のサンゴや魚などの生きものたちは,
潮の入れ替わりが無いため,生きているかどうか心配です。

 沖縄の人気は自然の美しさですが,その中でも海が一番です。
 その海があちらこちらで破壊されているのは何故なのでしょう。
理解に苦しみます。

 自然の破壊が進むにつれ,人の心もすさんでいくように思えてなりません。
 人は自然と共に生きてこそ,謙虚で誠実に生き方ができるように思います。


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