※写真をクリックすると大きくなります。
名護の東江の海をモニターしてきましたが,養浜(人工海浜を造成すること)の
工事が終わったようです。今年の3月22日までは自然の海でしたが,とうとう
砂で埋められてしまいました。海水の白濁が続いていますが,わずかな岩礁が
残っているようです。海水の白濁があまりない日を選んでその後の様子をお伝え
したいと思います。また,水陸両用のパワーシャベルが岩礁上で作業をした
後の様子も見て貰いたいと思いますので,その時にブログにアップします。
今日8月2日,沖縄本島は台風9号の影響を受け始めたようです。
海は白波が立ち始めました。空は雲が少なく快晴で気持ちがいいです。
さて,泡瀬干潟の人工島計画は早ければ今年の9月頃から再び再開される予定
だと新聞で報道されています。
埋め立て地は液状化現象があることや津波などの防災対策について具体的な対策を
示していません。(この一点だけでも信じられない)
もし,地震により建物が壊れたらその修復に再び税金を投入するつもり
なのでしょうか。まるでなにかの賭けごとのようです。
そのようなリスクがあるものを精査せずに構築しようとする考えに透明性は
感じられません。
泡瀬干潟の見える護岸に人工島に人工ビーチを造る計画を示す看板が設置されて
います。それには,市民が望んでいると書かれていますが,人工島もろとも望んで
いない市民がたくさんいることをどう考えているのでしょうか。
この事業に協賛する企業や団体は看板の下に示されています。いづれも,
沖縄屈指の自然が豊かな海を守るよりも事業に賛同する意志を明確にしめしていると
解釈したいと思います。
その看板の裏の護岸に書かれていた言葉です。
この海がどういうところなのかは,今まで何度も写真を載せてきました。
この人工島は現在護岸の枠と一部の埋め立てが完了している状態ですが,
これから工事が再開した場合,再び周囲の海に多大な負荷をかけることになるでしょう。
仮に埋め立てが完成し都市が造られたなら,その土地に降った降雨はさまざまな
有害物質を含みながらそのまま海へ排水されます。ただそれだけでも
周囲の干潟に影響を与えることでしょう。
さらに人工海浜は全長900メートルですから,途方もない海砂を採取し,
それをダンプカーで自然の海へ投入することになります。
海砂の種類はわかりませんが,仮にサンゴ礁由来のチービシの海砂であれば
その白濁はすさまじく,漁業にも何らかの影響を与えるかもしれません。
そのようなことすら論じあってもいないのですからどうしょうもない事業だと
思います。
この時代になっても破壊型公共工事をまだ続けようとしている
行政に不信感をいだいています。
その泡瀬の海を時間がとれたので少しだけ見てきました。
わずか1時間の撮影ですが,これだけの写真を撮ることができる豊かな自然が
残っているのです。
細い緑色の草のようなものは海草(うみくさ)という植物の仲間です。
ほかに説明はいらないでしょう。ただ美しいのですから。
鳥のうんこです。干潟で小さな生きものを食べた鳥がうんこをして,そのうんこを
また別の生きものが栄養として食べるのです。命は循環しています。
カニの甲羅もまた,海水に溶けていき再び生きものの身体をつくる材料と
なることでしょう。
沖縄本島にこのような干潟の海はもうほとんどありません。
あちらこちらで埋め立てられてしまったのですから。
発展,活性化,起爆剤(使い方を誤れば自爆材)という言葉の意味するものに
本当の幸せが含まれているのでしょうか。
そのことに気が付いている人が増えてきていると思います。
何万年もかかって成り立っている自然を私たちの生きている時代の価値観に
基づいて破壊することは誤りではないでしょうか。
なぜなら,これからこの地で生きていく数世代先までの人の価値観が同じだとは
限らないのですから。
人間は地球の物質から生まれたのですから自然そのものです。
その自然を破壊することは自らの身体を破壊することと同じではないでしょうか。