労働者として働きながら海の活動を続けていますが,活動は日曜日
に限られるのでなかなか十分にはできません。
それでも,機会があればできるだけ海へ出掛けることを心掛けています。
今日は今年の1月初旬に行われた泡瀬のヒメマツミドリイシという種類の
サンゴ群生地を調査(リーフチェックに同行)した時の様子を報告します。
ヒメマツミドリイシは枝状のサンゴです。このサンゴの群落までは大潮の
干潮であれば泡瀬の街から歩いて約1時間半で行くことができます。
夏には泡瀬干潟を守る連絡会の主催で見学ツアーが催され,膝までの
水かさで広大に拡がるサンゴの群落を見ることができます。
問題の埋め立て工事区域からの距離は約1.5㎞ほどの近距離に位置して
います。
当日の海象は北寄りの風が強く,波があり海のコンディションは良くありま
せんでした。天気は雨で海の中は薄暗い感じがしました。
それでも総勢十数人の志気は高く,冷たい海での調査を実施,調査は遅滞なく
完了しました。
私は,フリーの撮影者として撮影を行いました。
前回の調査は2011年5月中旬,まだ,埋め立て事業は中断していました。
この時は埋め立て事業が開始されて以降,調査のたびに悪くなっていたサンゴが
かなり良い状態に回復し,魚の群れもたくさん見られました。
しかし,埋め立て事業の再開後の今回は魚類は多く見られたもののサンゴの状態は
再び悪くなっていました。これは目視でわかるほどでした。
リーフチェックの調査結果も劣化していることを示していました。
以下の写真は今回の調査時の様子です。
写真をクリックすると大きくなります。
下の写真の正面に見えているのが埋め立て工事区域の一部で,2つの船が
空気圧送船(ヘドロを埋め立て工事区域に流し込む機械を搭載)です。
写真付近の水深は約3メートルでサンゴ群落から離れ,工事現場に
接近して撮影しています。海の透明度は良好です。
サンゴ群落の水深は約2メートル,干潮に向かう時間帯なので船を
群落からやや離れた洋上に錨泊させ,そこから泳いで向かいました。
水中にはホンダワラの仲間がたくさん見られました。海藻の林を
泳ぐのは愉快です。
海底から見上げた海面の様子です。
雨なので雨粒の波紋が見えます。
サンゴと海草が一緒に生息しているのが泡瀬の海の特徴です。
しばらく海草の草原を泳ぎます。
トラギスの仲間がこちらを見ています。
イシモチの仲間でしょうか,みんな同じ方向に仲良く並んでいます。
海草の草原を抜けると目的地のヒメマツミドリイシのサンゴ群落に
辿り着きました。透明度は曇天のためと何らかの理由で良いとは
いえませんが,眼前には無数の魚たちが元気に群れていました。
サンゴ群落は前回の調査(2011年5月中旬)の時は回復し良好な
状態でしたが,今回は部分的に死んだ部分(白くなっているところ)が
あちらこちらに認められました。
左の写真が元気なサンゴ,右が先端部分が死んだサンゴです。
サンゴ群落では,あまり見かけない魚も見られました。
ヤガラの仲間を見つけました。ながーい胴体の魚です。
正面からの撮影ができました。笑。
小さな魚を補食に来ているようですがなかなか狩りはうまくいかない
ようです。
大きなナマコの仲間も見かけました。
泡瀬干潟の海の埋め立ては現在も着々と続けられています。