沖縄本島中部に沖縄市があります。
(画像の出典はグーグル・アース)
沖縄市の沿岸部は、埋立地が広がっています。
(画像の出典はグーグル・アース)
広大な埋立地は、企業誘致が進まず空き地が目立ちます。
実際に行ってみると、空き地や公園、土砂置き場やスクラップ置き場などが
目立ちます。有効に活用されていないように見えます。
写真右上が現在埋め立てが進行中の人工島です。
人工島は泡瀬干潟に造られています。
このブログの中でも泡瀬干潟のことをお伝えしてきました。
写真は、最近の人工島建設の様子です。
(画像の出典はグーグル・アース)
今回お伝えしたいことは、人工島の埋立工事に際し、移植したサンゴの現状です。
移植は2008年秋に行われ、今年で6年が経過しました。
日本自然保護協会、保護プロジェクト部の安部さんの記事に移植サンゴの
状況と埋立前のサンゴの写真が掲載されています。記事の内容は2012年です。
http://www.nacsj.or.jp/diary2/2012/06/post-237.html
『泡瀬干潟を守る連絡会』のホームページにはサンゴを移植するまでの
経緯が書かれています。いろいろあったようです。
http://awase.net/maekawa/okinawasisango2.htm
更に詳しくお知りになりたい方はグーグルの検索サイトから
『泡瀬 サンゴ 移植』の3つの単語を入力して検索してみてください。
移植に関係する報道や移植事業を担当した会社の報告書(PDFファイル)などが
公開されています。
今年の夏、移植サンゴの様子を見てきましたのでご紹介します。
移植先は約2キロほど離れた港の出入口付近です。
一部はテトラポットの上に固定し、他は海底に置かれた格子状の鉄筋に
移植してあります。海底の底質は泥です。
水深は干潮時で約2メートルから3メートル、入港船があるたびに波が立ち、
海底の泥が舞い上がります。海水はいつも濁っています。
海底を手であおぐと泥が舞い上がります。
今回も海面から海底が見えず、移植サンゴを見つけるのに時間がかかりました。
海底は濁りで薄暗く、透明度が悪いので撮影は困難でしたがなんとか写せました。
撮影した場所では、1本の枝状サンゴを残し、その場所のサンゴはすべて死滅していました。
なぜこのような海域を移植の場所に選んだのか理解に苦しみます。
鉄筋の格子が変形したものもあり、その後の維持管理はなされていない様子です。
過去の写真と比較してご覧ください。
2009年2月頃
左が実際の写真(濁りの様子がわかります)、右は画像データを補正し
わかりやすくした写真です。以下同じ。
移植して半年以内の状況です。サンゴは生きています。
2014年夏
テトラポット上のサンゴは、種類により生き残っているものがありますが、
死滅している種類もありました。
植え付け当初は個体ごとに独立していましたが、現在は隙間がなくなり、
十字型のテトラポットの上に盛り上がった状態となっています。
この先どのようになっていくのでしょうか。
2009年9月 以下左右2枚とも補正した画像
2014年夏
人間の都合で強制的に移動させられ、その後放置されているとしか思えない
サンゴたち、これでいいはずがありません。
現在、人工島の建設現場では、内堀の埋立と人工ビーチの造成が
進められています。
今後、さらなる埋立とマリーナの建設が予定されています。
今現在の価値観で進める不可逆的な破壊を伴う公共工事は、
未来にどのように受け止められるのでしょうか。
ある国では、数十年先のことまで考えて公共工事を計画するそうです。
本土の朝日新聞に掲載された泡瀬干潟の記事があります、どうぞご覧ください。
『泡瀬干潟博物館カフェ・ウミエラ館』のブログ
http://umierakan.ti-da.net/e6949270.html