9月20日と21日に開催された「大浦湾」の「リーフチェック」に参加
しました。参加といっても,私の場合,付いて行ったといった方が
よさそうです。「リーフチェック」は,レジャーダイバーと海洋科学者による,
世界規模のサンゴ礁保全プログラムです。
1997年に世界30カ国で立ち上げ,本部はアメリカで,
現在は,84カ国で実施されているそうです。
私が連れて行ってもらったのは,大浦湾のサンゴ礁の定点観測です。
サンゴの状況,海底の底質,そこに生息する生物などを世界基準に
定められた方法で測定し報告するものです。
沖縄では,「沖縄リーフチェック研究会」という組織が活躍しています。
ホームページは→
http://reefcheck.net/
当日は快晴,海も穏やかで調査には最適な日でした。
4隻のボートに分散し二手に分かれて,それぞれの調査海域に向かいました。
私が乗ったボートはハマサンゴの群落担当です。
あいにく私は素潜りしか出来ませんので役にたたず,ダイバーの周りを回って
じゃまするばかりでした。笑。すみませんでした。
海底には,巨大なハマサンゴが連なっていました。
どんな生きものがいるのか探してみることにしました。
ボートの付近を観察しただけですが,実にたくさんの生物がひしめいて
いました。
この大浦湾は,すぐ近くにある辺野古の米軍基地海上滑走路建設計画のために
埋め立てられようとしています。その反対行動はもう何年も続いています。
一カ所でも工事を始めると小さな大浦湾全体に影響が出るでしょう。
生きものの生態系はとても繊細でもろいものです。
ひとつひとつ沖縄の豊かな自然が消えていきます。
すべての自然を人工物の山に造り替えたとき,時すでに遅く沖縄の魅力は無くなる
のではないでしょうか。
大浦湾には,非常に希少な海域があります。
新聞やテレビでご存じな方も多いと思います。
それは,「アオサンゴ」の大群落です。
私たちは,午前の調査を終えた後,午後からそこへ向かいました。
岸からそう遠くない海上に,その群落があります。
当日の水深は浅い部分で3メートル。深い部分で15メートルはあったでしょうか。
海水の透明度は非常によく,イノーばかり見ている私にとっては感動で
いっぱいでした。
皆さんはダイビングの装備を装着し,次々と潜行していきます。
私も,素潜りですが,浅い部分の生物の写真を撮影しました。
アオサンゴの群落は巨大で,圧倒されるほどでした。
そこは,無数の生きものアパートです。彼らの家でした。
このような美しい海をみんなが知ったら絶対に反対するでしょう。
実際に現場に行ってみて,沖縄本島にこのような場所が
まだ残っていたなんて驚きです。離島でも同様な海域はないかも
しれません。
首里城を世界遺産に登録するよりも,目に直接見えないけれど
ほんとうに貴重で美しいものを価値ある一品として後生に残していく
勇気が必要だと思います。
沖縄と本土に住む一人一人に「あなたは,どうする」と問われている
ようです。