5月下旬、日本自然保護協会及びダイビングチーム・レインボーの主催により
辺野古新基地建設(米軍基地)が予定されている大浦湾で、
サンゴのリーフチェックが行われました。
その調査に同行し、海中の様子を撮影してきましたのでご紹介します。
※リーフチェックは世界規模のサンゴ礁モニタリングプログラムです。市民に調査
員として参加していただく方法で、世界の多くの場所で1997年より行われて
います。「沖縄リーフチェック研究会」のブログから転記。
今回調査したサンゴ礁は大浦湾の北側にあり、防衛局が設置した臨時制限区域の外に
位置しています。基地建設予定海域まで、直線距離で約3Kmです。
調査メンバーと機材を積んだボートは、美しい青色の大浦湾を走ります。
天気は曇っていて、快晴の時に比べ海の色がさえませんが、走っている
ボート上からでも白砂の海底がはっきりと見えています。
※5月17日に那覇のセルラースタジアムで行われた県民集会(35000人参加)で
青色の物を身につけて参加したその青は、辺野古や大浦湾の海の色
(へのこブルーと呼んでいます)を象徴しています。
ボートは調査海域に到着すると既設のブイに係留しました。
ここはサンゴの群生海域なので、アンカー(錨)を落とすことができないためです。
ボートの真下の水深はおおよそ20メートルはありそうです。
海底がはっきりと見えます。透明度抜群の海です。
まず、スノーケリングで周囲の海を観察しに出かけました。
海面近くを1㎜から1㎝ぐらいの変わった生きものたちが無数に漂っています。
クラゲの仲間のような生きものを撮影しましたが、海面が揺れているので
なかなか上手く撮れません。
眼下に塊状ハマサンゴ?が見えます。巨大です。
少し進むと樹枝状サンゴがびっしりと生えている所に出ました。
深いので眼下は濃いブルーの世界です。
海底の地形は起伏が複雑で、まるで山岳地帯を飛行しているかのようです。
比較する対象がないので写真では距離感がわかりにくいのですが、実際は雄大です。
少し進むと浅くなり、一帯をアオサンゴが覆っていました。
このサンゴの骨格は青色をしているので、アオサンゴという名前がついたようです。
アオサンゴの上を通り抜けると、海底をテーブル状のサンゴが覆っていました。
緑色とうす茶色を中心に桃色や空色、紫色のサンゴもあります。
水深は約2~3メートルと浅いため、自然光が海底まで届き、カラフルな世界が
広がっていました。晴れていたらもっと鮮やかだったでしょう。
多様なサンゴのほか、海底には有孔虫や微小貝なども見られ、
魚の種類も多いように思いました。
リーフチェックの準備をしているところです。
また、深場の海草藻場の調査も実施しました。私はスキンダイビングなので、
水面から見送ります。
午後はクマノミ城など別の海域に向かいましたが、臨時制限区域の外を航行している
にもかかわらず、海上保安庁の警備艇が追走してきました。
この赤いフロートや黄色いブイの下にはニュースで報じられた
問題のコンクリートブロックがアンカーとして設置されているのでしょう。
自然が何万年、何千年もかかってつくりあげてきたこの海を埋め立てて
米軍の基地がつくられようとしています。