辺野古の海 HENOKO SEA

有光智彦

2010年07月30日 15:28

2013年12月26日付けでYouTubeに辺野古の海中の動画をアップしましたので、
こちらもよろしければご覧ください。
http://www.youtube.com/watch?v=iy4hK6zOEc4


※画像をクリックすると多少大きくなります。
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 調査は,チームこどに目的を持って行われました。
 私が同乗した舟は海草の分布状況を調べるチームが乗っていました。
 みんなボランティアです。
 




 遠浅の海草藻場を舟の上から見たところです。
 ガラスのように透明な海がわかりますか,緑色のところが海草藻場です。



 辺野古の海中はとても清らかです。
 海草の草原がどこまでも続きます。



 海草の葉上には小さな巻き貝が無数に生息しています。



 海草の間には,アイゴの稚魚(スク)などたくさんの魚類がいます。
 左は頭を下にして群れで泳ぐヘコアユの稚魚たち,右はアイゴの稚魚です。



 調査は埋め立てが予定されている周辺も含め,広範囲に行われました。
 リーフは岸から1㎞以上沖にあります。
 リーフに近づくにつれ,海底の様子も変化します。
 海草藻場が減り,ホンダワラ類の藻場になります。
 また岩礁も増え,サンゴの個体も目につきます。
 魚類の種類も増えて成魚も見られるようになります。

 写真は,いよいよリーフに近い岩礁のホンダワラ類が茂る海中の様子です。
 辺り一面黄金色です。透明度がよく,水は清らかです。
 その中を泳いでいると不思議な世界にいるようです。
 一日中そこで泳いでいたいと思いました。
 そのホンダワラ類を過ぎると,パッと砂地に出ます。
 真っ白なサンゴや貝殻で出来た砂地です。目の覚めるような明るさです。
 写真で伝わるでしょうか。



 
 岩礁にもたくさんの生きものが住んでいます。
 カワハギの子どもが私におどろいて隠れました。
 でも頭だけくぼみにつっこんで,からだの半分以上が外に出ています。笑い。



 トラギスくんが私が潜行のために持ち歩いていたおもり(鉛)に近寄って
来ました。なんだか怪しいものがあるぞ!?という感じです。
 彼が一番興味を示したのがロープの切れ端でした。笑い。



 海底に赤い色のものを見つけました。近づいていくとウニの仲間のカシパン
でした。これは生きている状態で死ぬと白っぽくなります。



 小さな赤い巻き貝も見つけました。



 友人がチョウセンフデガイの生貝を見つけてきました。
 この貝を打ち上げで拾うことは,おそらく希です。
 このような砂の中に住む巻き貝を海中で見ることもあまりありません。



 こんな貝も見つけました。



 岩穴からウツボの旦那が覗いていました。



 ちょっと休憩して海面を漂っていると潮目に出会いました。
 たくさんの役目を終えた海草が一列になって流れていきます。



 海底までの深度は約3メートル,海底にへばりつくように潜行し,生きものを
観察します。
 エビでしょうか,穴の中から覗いています。



 小さなホヤがいろいろあります。



 いろいろなサンゴもあります。



 子どものサンゴです。これから大きく成長していくのです。



 アイゴの稚魚たちがご飯を食べています。



 藻類の間からイシガキカエルウオが顔を出しました。
 こちらを不思議そうに見ています。



 小さくて美しい二枚貝を見つけました。



 ヤドカリがお食事中です。



 ホシダカラでしょうか生貝がやってきます。




 米軍基地キャンプシュワブは何か建設中でした。
 その真ん前の海底には無惨な海草藻場がありました。
 これは,水陸両用車のキャタピラが走った跡だとのこと。



 空き缶も落ちています。

 
 
 大事なことは海はつながっているということです。
 ただ物理的なつながりだけではなく,それぞれの環境に住む生きものは
それぞれがつながりあって生きているということなのです。
 海岸林も砂浜も,海草藻場,ガレ場,砂地,ホンダワラ藻場,サンゴ礁…,
これらは全体で一つです。どこか一カ所でも壊れたら全体に影響がおよびます。


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