自然の海岸

有光智彦

2012年07月23日 23:20

前回は人工ビーチでのエピソードについて書きました。
今回は、その隣にある自然海岸について書いてみたいと思います。
自然海岸と言っても、実は昭和50年代に埋め立てられた場所なのです。
その当時は相当荒れていたと思われます。
その後、自然の回復力により、その場に応じた環境と生きものの生態系が
出来てきたのかもしれません。



浜の砂は、どこかの海から調達してきた砂ではなく、元からこの海にある
砂です。砂を手のひらに乗せてよく観察してみると、基本は岩石由来の砂
のように見えます。綺麗に粒がそろっています。



浜の砂が人工ではないぶん、打ち寄せる波や漂着物も本物という
気持ちがします。



潮は満ち潮です。少しづつ浜が満ちていきます。
打ち寄せられた貝殻や海草なども、引いては返すさざ波によって
浜の上へ上へとゆっくり運ばれていきます。



小さな貝殻たちが集まっています。



種類の違う海草を見つけることができました。
この海には海草藻場があるのでしょうか。



浜にはオカヤドカリたちが暮らしています。
オカヤドカリは、人工ビーチでも見かけますが、数では自然の海岸に
到底かないません。
今朝は、ご馳走が上がったようです。
イワシのような魚が一匹打ち上げられていました。
そのイワシを食べにたくさんのヤドカリさんたちが集まっています。





前回の大潮で潮が運んできた漂着物がたまっているところがあります。
その中で茶色くて硬い種のようなものを見つけました。
モダマという植物の種でしょうか。



波打ち際では綺麗な二枚貝を見つけました。
ニッコウガイの仲間でしょうか。



渚にしゃがみこんでいると身体も心も癒されていくような感じがします。



そろそろ帰ろうと護岸に取り付けられた梯子に向かいました。
浜は、陸地とは高さ約3メートルのコンクリート護岸で隔てられています。
その垂直な護岸をオカヤドカリたちが、一所懸命登っていきます。
しかし、途中の急勾配からはどうしても上がれないようです。
オカヤドカリは、浜と海岸林を行き来しながら暮らしているので、
なんとかして海岸林に行こうとしているのかもしれません。
気の毒に思い、全員連れていってあげたい気持ちになりました。



この次は、小規模ながら海岸林とは呼べないものの植物で覆われた浜に
暮らすオカヤドカリたちを紹介したいと思います。
夜に咲く「サガリバナ」も撮影してきたので、それも紹介
できたらと思います。


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