海の色彩

有光智彦

2008年12月25日 01:04

海は,地上から眺めただけでは決してわかりません。
泡瀬干潟も岸に立って眺めると足下にはゴロ石が続き
とても美しいとは思えません。
しかし,勇気を持って一度水中の世界を覗いてみると
今までの海の表情は一転します。
おそらく,そのすばらしい世界の虜になることでしょう。

沖縄本島の海は,埋め立てや護岸工事,生活排水
などで,どこも汚れてしまいました。
美しい自然の残る海は,僅かです。
それでも,生きものたちは,汚れた海の中でも,自己主張を
するかのように,個々の美しい姿を着飾っています。
まるで,泥沼の中から咲く清らかなスイレンの花の様に。
今夜は,そんな生きものの美を紹介します。

最初は,「ヤギ」の仲間でしょうか。
八放サンゴの一種とされています。
潮通しの良いところに生えています。



根元は,かんろくのある松のようにしっかり岩に根付いています。



形はおうぎ状に広がり大きさは60㎝ぐらいでしょうか。
大きい物は1メートルや3メートルのものもあるようです。
色は,鮮紅色です。紫色のもあります。



良く見ると小さな花のようなものがいっぱい咲いています。
これは,サンゴ虫(ポリプ)で触手は8本あり羽状触手(うじょうしょくしゅ)と
いいます。これでプランクトンなどの微生物を捕獲し栄養としています。
各サンゴ虫が捕らえた栄養分は,全体で共有されます。



近くに寄って観察すると,潮の流れによって先端の枝全体がプルプルと
震えて鈴がささやくような,かすかな音を聴くことができます。



次は「ホヤ」の仲間です。



やや陰になる岩の側面に付着して生活しています。
構造はシンプルで,入水孔から海水を取り込み,微生物を濾過して栄養とします。
濾過された海水は出水孔から体外に排出されます。



大きさは1㎝ぐらいから3㎝や5㎝のもの,または,群体を成している
ものもあります。色は様々で,とてもカラフルです。
また,入水孔の形も様々で,変わったところでは星型もあります。



まるで,合唱しているようにも見えます。



もう一つ,これは「ヒドロ虫」の仲間でしょうか。
日光が降り注ぐ岩の上に生えています。
とても美しい生きものです。



それから,どうか皆様,泡瀬干潟を守る署名にご協力をお願いします。

http://www.shomei.tv/project-198.html

期限が迫っています。
皆様の勇気の善意をお願いします。



関連記事