思いやり
夏から秋にかけての浅い海の中の様子です。
浅瀬では小さな魚たちがしきりにご飯を食べています。
岩に生えた藻類を食べるシマハギの子どもや流れてきた小さな生きものを食べる
スズメダイの仲間、岩の穴から出たり入ったりする忙しいギンポの仲間など
とても賑やかです。
初夏に生まれた魚たちは少し成長していますがまだ子どもの表情をしています。
太陽の光は、海面の波でプリズムのように分光し、海底を照らします。
藻類は光合成を行い、酸素の気泡を無数に携えています。
気泡は少しづつ膨らみ、浮力がつくと水面へ向かって上昇していきます。
酸素の気泡は水面ではじけ、大気に溶け込んで、地球を巡りる壮大な旅が始まります。
私たちもその酸素を吸わせていただいているかもしれません。
やがて干潮のピークを過ぎ、潮が満ちてきました。
沖合から新鮮潮が流れ込みます。潮にのってコペホーダやヤムシなどの
小さな生きもの、サンゴが乾燥から身をまもるためにつくった粘液などの
栄養物が流れてきて、小さな生きものたちのご飯となります。
小さな穴からギンポの仲間が覗いていました。
目がくりくりしています。
沿岸に棲む小さな生きものたちは、埋め立てや護岸工事、人工ビーチの造成、
生活排水など人間の影響を受けやすい環境で生きています。
慈悲の心や、相手への思いやりなど、優しい気持ちが人間同士の関係を超え、
人と生きものとの関係までも良い方向へ変えていける力を持ってるのではないでしょうか。
関連記事