10,11,12,13日と連続で海に入りました。
サンゴ礁の内側のイノーの水温は,19℃。
外洋は22℃です。
今日は,外洋で変わった生きものを見付けたので紹介します。
外洋が穏やかで,日光がサンサンと降り注いでいました。
濃いブルーの海中は遠くまで透けて見えています。
海面を気持ちよく漂っていると,他にも漂っている生きものを見付けました。
以前,一瞬見付けて直ぐに見失っていた生物です。
大きさは,2ミリから1センチぐらいで,半透明,いろいろな形があります。
これは,いったいどんな生きものなのでしょうか。
まるで顕微鏡写真のようですが,海中の中で漂う姿をそのままを撮影しています。
卵でしょうか,それとも幼生でしょうか。動き出す気配はありません。
中には,明らかに動いているものも見かけます。
確かにクラゲの様です。
傘を閉じたり開いたりしています。大きさは1センチ弱でしょうか。微細です。
一瞬でも目をそらすと,見失うほど半透明です。
カメラで追うのは困難でしたがなんとか姿を捕らえることができました。
また,強い光を発する僅か2ミリ程度の生きものも見付けました。
まるで,微細な鏡に日光の光線が反射してキラキラと輝いているように見えます。
色は赤や桃色,青や緑にとめまぐるしく変化します。
ちょうど撮影の瞬間は桃色だったようです。
夢中で撮影しましたが,機会は一瞬でした。
広大な海のどこかへ流れて行きました。
2時間ぐらい,この不思議な生きものの撮影を続けたでしょうか。
しばらくして,大きな卵の塊が漂っているのを見付けました。卵塊というそうです。
全体の大きさは,約50センチ。無数の卵らしきものが見えます。
赤い卵で所々に白く変質した部分が見られます。
どんな生きものの卵なのでしょうか。どうやってこんな姿に生んだのでしょうか。
とても不思議に思えてきます。
海は広大です。人間の生活圏の片隅で見ているのは,ほんの僅かな断片に
過ぎないのかもしれません。
私たちを取り巻く世界の不思議がどんどん解明されていく中で生きています。
インターネットやテレビでは,いろいろな番組が流れていて私たちは,沢山の
知識を持っています。
でも,実際に外に出て自分の目でその不思議と出逢ったとき,まだまだ
知られざる世界が存在し,夢をはせることができるのだということを知るのだと
思います。
まるで,海は生きもの濃いスープのようです。
しばらくしてから,サンゴ礁の内側に戻りました。
満潮が始まり,取り残された岩礁の上に一羽の鳥が小魚を狙っています。
どんな鳥なのか知りたくなり,そろりそろりと接近します。
普通人間が近寄ってくると,警戒して直ぐに飛び立ちますが,水面を得体の知れない
ものが近づいて来るのに困惑したのか,じっとしてこちらを観察しています。
わずか2メートル直近の海面すれすれから鳥を眺めることができました。
鳥は,左の目で見たり右の目で見たり,こちらを凝視しています。笑。
たまらなくおもしろいので,そーとシャッターを切りました。
頭には,産毛のような毛が沢山生えていて逆立っています。
更にアップをと接近すると,さすがに飛んでいってしまいました。
それが下の写真です。
イノーの中は外洋に比べると2℃ぐらい低いので,とても冷たく感じます。
満ち潮で外洋の暖かな海水が流れ込んでくると段々と水温も上がってきます。
暖かくなった海中には,元気な魚たちが戻ってきます。
サンゴの穴の中から何か白いヒモのようなのが1メートルほど出ていて
先端はごそごそ動いています。何だろうと接近し観察します。
先端を良くみると毛細血管が見えます。こちょこちょとこそぶるとピクピクと
反応します。
引っ張ってみましたら10センチほど縮みました。
元は何処につながっているのだろうかと探してみると,サンゴの奥の方に
なんとタコが居ました。このタコの胴体の一部でした。
いったい何をしていたのでしょうか。そしてこの触手のようなものは何の役割を
しているのでしょうか。またまた不思議発見です。!
「みっかったか!」と奥へ奥へ引っ込むタコがかわいそうなので,その場を離れる
ことにしました。
毎日海に入れば,同じような海の装いの中にも,必ず一つは発見があるものです。
だから,決して飽きることがありません。
この発見をみなさんに伝えることが,私の楽しみでもあるのです。
大きな雲が通り過ぎた後,再びサンサンと陽光が降り注ぎ始めました。