浦添西海岸開発計画-Ⅲ

有光智彦

2015年05月20日 23:59

浦添市の松本市長は、浦添の海を埋め立ててリゾートをつくる計画を
進めています。この埋め立てを「第二ステージ」と言います。
松本市長は、人工ビーチやマリーナの位置を変更した「浦添市案」を
新たにつくり公開しました。(下図参照)
また、那覇軍港移設に明確に反対し、市長に当選したのですが、
この公約を撤回し、軍港受け入れを表明しました。
軍港建設の位置は従来計画の位置から那覇市寄りに変更した案となっています。
この他、従来計画に無かったクルーズ客船のバース(桟橋)が追加されています。
港湾関連用地として示された緑色の部分は、このブログで既に掲載した
「浦添西海岸開発計画-Ⅱ」というタイトルでご紹介した海域です。

※上図の出典:2015年4月16日の琉球新報・「浦添市軍港受け入れへ」
と題し掲載された記事より

浦添市の海は「カーミージー」側を残し、ほとんど埋め立てる計画です。


今年2015年の2月と5月にリゾート建設計画(第二ステージ)で埋め立て
られる海域を見てきましたのでご紹介します。

出典:Google earth
上図は写真展に撮影範囲として掲示した資料ですが、
以下にご紹介するのは第二ステージとして赤まるで示した辺りです。

撮影は大潮の干潮時に行いました。護岸から沖に向かって大きく磯が
干出しています。自然の岸は2009年から始まった臨海道路建設のために
埋め立てられ、現在の岸は臨海道路の護岸となっています。
その護岸の一部分にサンゴのかけらが大量に堆積していました。
そこだけ何故堆積したのでしょうか。
   

このサンゴのかけらが堆積している辺りから、沖側に向かいました。
しばらく歩き、ようやく波打ち際に着きました。


ガラスのように透明な海が広がっています。


海に入ってすぐの海中の様子です。
左は岩礁、右は砂地に海草藻場が広がっています。

   

   

   
岩礁上には藻類に混じって多様なサンゴやソフトコーラルが見られます。
この海域は時間帯により強い潮の流れが発生します。

さらに沖側に向かいます。段々と深くなります。


沖のやや濃いブルーの辺りまで行くことにしました。

  
途中、サンゴ礫が堆積しているところがありました。
以前ここに樹枝状サンゴの群集があったようです。
今は、魚やさまざまな生きものたちの棲家となっています。


濃いブルーの辺りまでやって来ました。
ここからは一気に深くなっています。
海底が見えません。


深みの端に沿ってしばらく観察した後、再び浅い部分を見て回りました。
塊状ハマサンゴが多く見られる海域もありました。

   
塊状ハマサンゴの表面には、ゴカイの仲間のイバラカンザシがたくさん見られました。

 
やや深場の岩礁には細い樹枝状サンゴの群集がありました。


1メートルほどのテーブル状のサンゴも点在しています。

   
カラフルな樹枝状サンゴの拡大写真です。

 
ヤドカリたちです。


この地を選んで根付き、これから成長する小さなサンゴも多く見られました。

この海を本当に埋めるのでしょうか?

今回観察し、撮影した浦添の海は、全体のほんのわずかな部分にしか過ぎません。
私自身まだまだ知らないことばかりです。
また、一年を通じての季節の変化や昼と夜でも見られる生きものたちが違うはずです。
これからも、少しづつでも、お伝えすることができればと考えています。
ブログが浦添の海を考えるきっかけとなればと思います。

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