2013年05月06日
釣り具回収2013年5月
本当に久しぶりのブログ更新です。
伝えたいことが山ほどあるのですが、なかなか思うように時間がつくれません。
ブログ更新をしていない空白の4か月間には、幾つかの海の活動をしました。
順に更新したいところですが、まずは最近の活動からお伝えしたいと思います。
5月3日に釣具の回収をして来ましたので、その時の様子をお伝えします。
海に潜るのは、久しぶりなので出掛ける前からワクワクしていました。
しばらく海に入っていないと潮気が抜けてしまいそうです。
天気は薄曇りで時々晴れ間があります。現場の海はまずまず静かです。
透明度はどうかなぁと護岸から眺めてみると、よさそうな感じです。
波打ち際でマスクとフィンを着装し、相棒と向き合い合図して準備よし!
いざ海へ。
海へ入ったら、すぐに動かず周囲の状況と自身の状態や装備を点検します。
透明度はやや悪い感じです。上からではなかなかわからないものです。
この海へ来るのは2か月と半ぶりです。
定点観察しているサンゴが気になっていたのでまずそこへ向かいます。
紫色のサンゴは元気でしたが、枝が少し欠けていました。
この紫色のサンゴと同じ岩礁にはハマサンゴをはじめ幾つかのサンゴが
生きていますが、ロープや釣り糸が絡んでいたり、あるいは枝が何本も欠けているなど
ダメージを受けていました。
この紫色のサンゴも、いつ同じような状態になるのかわかりません。
定点観察しているサンゴの記録です。
HP『海から伝えたいこと』 http://www.namiuchigiwa.com/newpage69.html
釣り糸回収中の相棒です。手前のサンゴは定点観察している紫色のサンゴ。
画像をクリックすると大きくなります。

最初はロープが絡みついたサンゴから始めました。
ロープは太さ約20ミリで、繊維がバラバラにほどけていました。
海水の動きで繊維がゆっくりと上下し、まるで人の髪の毛のように見え、不気味でした。
まず、大きなハサミで取れる分を除去した後、小さなハサミに持ち替えて
枝に絡みついた繊維を取り除いていきます。
しかし、枝の先に付いた糸くずのような繊維はなかなか除去できませんでした。
ポリプが不自由しているように思え、できるだけ取り除いてあげたい気持ちです。
取り除いた後のサンゴは部分的に死滅していました。




次のサンゴは釣り糸が絡んでいます。
釣り糸には藻類が生えています。藻類の付き方から、かなり時間が経過している
ようです。このように藻類がしげると、ゴカイやヨコエビの仲間など、さまざまな生きものが
棲んでいます。どんな小さな生きものでも、生命があるので回収し陸上へ
持ち帰ることは、ためらってしまいます。そうかといって本来存在しない人工物を海中に
置いてくるのもしたくありません。このような場合、心の葛藤があります。
今回は、前回の回収から時間があいたので、藻類のしげった釣り糸がたくさん
ありました。
できることなら1か月に1~2回は来て藻類が繁殖する前に回収したいものです。

特に釣り場前の海底のサンゴに釣り具が絡んでいましたが、今日は休日で
釣り人がたくさんおられたので、近寄れませんでした。
サンゴに絡んでいる男性用下着を見つけました。
何故なのか時々男性用下着を水中で見つけるのです。
これが海底のゴミとして漂っているうちはまだいいのですが、一度サンゴに
絡み付くと、波に揺られて動きまわり、サンゴの表面が擦れてポリプにダメージを
与えてしまいます。
悪くすれば繊維が解け、サンゴの枝に絡みついてしまいます。
今回は下着のゴムの部分と、釣り糸が一緒に絡みついていました。
幾つかの枝の先端はポリプが死んで藻類が生えていました。
こうした衣類やロープなどのゴミ?は陸上から風などにより飛ばされて
来るのでしょうか?
一度海に落ちると棲んでいる生きものたちにダメージを与えて
しまうものです。

作業をしている場所は釣り場のすぐ近くなので、時々潮の流れに乗って撒き餌さが
漂ってきます。まるで雪が降ってくるようです。
薄桃色のその餌はゆっくりと海底に沈んでいきます。
それを魚たちが食べています。日に何度も繰り返されていますが、魚にとっては
自然界に存在しない食べ物です、大丈夫なのでしょうか。
釣り具回収は積極的に行いますが、合間合間に海中の景色を楽しんだり、
生きものたちを観察したり、そして撮影したりと、海をいっぱい楽しんでいます。
今回もたくさんの生きものたちとの出会いがありました。
最初はハリセンボンさんからご紹介します。
写真は驚いて去っていく姿です。釣り具回収中に覗いた岩陰でお昼寝していたのかも
しれません。あーごめんなさい…という心境です。
去っていく時青色の目だけがこちらを向いていたのが印象的でした。

小さなサンゴを見つけました。大きさは3センチぐらいでしょうか。
細い枝が綺麗です。

また別の綺麗なサンゴは海底を這うように成長していました。
大きさは2センチぐらいで肉眼では構造がよくわかりませんでした。
撮影した画像を帰宅後見てみると、蛍光の緑色をベースに青紫色と茶色の
ポリプが並んでいることがわかりました。
人間のスケールではとらえきれない世界にも自然の美が潜んでいます。


他にもいろいろなサンゴがあります。
それぞれ無事に育ってほしいものです。



岩礁の陰には金色に見える数ミリの生きものが群れで泳いでいました。
肉眼では稚魚のようにも見えるのですが、エビのようにも見えました。
これも撮影し、後で画像を見てみると、エビのような形をした生きものであることが
わかりました。


岩礁の上にヤドカリがいました。貝殻は年季が入っています。長くお住まいなので
しょうか。目は青色、触覚は黄色でおしゃれです。

岩陰ではイシガキカエルウオがお食事中でした。
岩に生えた藻類を食べているように見えます。
僕が近くで見ているのにおかまいなしにパクパクと食べています。
時々思い出したようにこちらを見上げて不思議そうな表情をします。
目は左右別々に動くので、周囲を常に警戒しているのでしょうか。
いつまで見ていても飽きません。




最後はイバラカンザシです。これはゴカイの仲間で、よくハマサンゴの表面で
見かけます。触ったり、水流の変動などでも一瞬にして穴に引っ込んでしまいます。
またしばらくすると傘が開くように出てきます。
さまざまな色があり、見つけるのがとても楽しい生きものです。


海から上がると、今まで自由に動いていた身体が重力の影響と
腰に巻いたウエイトの重さでずっしりと重たくなりました。
身体は疲労していますが、心は逆に元気になったような気がしました。
潮気が戻りました。
伝えたいことが山ほどあるのですが、なかなか思うように時間がつくれません。
ブログ更新をしていない空白の4か月間には、幾つかの海の活動をしました。
順に更新したいところですが、まずは最近の活動からお伝えしたいと思います。
5月3日に釣具の回収をして来ましたので、その時の様子をお伝えします。
海に潜るのは、久しぶりなので出掛ける前からワクワクしていました。
しばらく海に入っていないと潮気が抜けてしまいそうです。
天気は薄曇りで時々晴れ間があります。現場の海はまずまず静かです。
透明度はどうかなぁと護岸から眺めてみると、よさそうな感じです。
波打ち際でマスクとフィンを着装し、相棒と向き合い合図して準備よし!
いざ海へ。
海へ入ったら、すぐに動かず周囲の状況と自身の状態や装備を点検します。
透明度はやや悪い感じです。上からではなかなかわからないものです。
この海へ来るのは2か月と半ぶりです。
定点観察しているサンゴが気になっていたのでまずそこへ向かいます。
紫色のサンゴは元気でしたが、枝が少し欠けていました。
この紫色のサンゴと同じ岩礁にはハマサンゴをはじめ幾つかのサンゴが
生きていますが、ロープや釣り糸が絡んでいたり、あるいは枝が何本も欠けているなど
ダメージを受けていました。
この紫色のサンゴも、いつ同じような状態になるのかわかりません。
定点観察しているサンゴの記録です。
HP『海から伝えたいこと』 http://www.namiuchigiwa.com/newpage69.html
釣り糸回収中の相棒です。手前のサンゴは定点観察している紫色のサンゴ。
画像をクリックすると大きくなります。

最初はロープが絡みついたサンゴから始めました。
ロープは太さ約20ミリで、繊維がバラバラにほどけていました。
海水の動きで繊維がゆっくりと上下し、まるで人の髪の毛のように見え、不気味でした。
まず、大きなハサミで取れる分を除去した後、小さなハサミに持ち替えて
枝に絡みついた繊維を取り除いていきます。
しかし、枝の先に付いた糸くずのような繊維はなかなか除去できませんでした。
ポリプが不自由しているように思え、できるだけ取り除いてあげたい気持ちです。
取り除いた後のサンゴは部分的に死滅していました。



次のサンゴは釣り糸が絡んでいます。
釣り糸には藻類が生えています。藻類の付き方から、かなり時間が経過している
ようです。このように藻類がしげると、ゴカイやヨコエビの仲間など、さまざまな生きものが
棲んでいます。どんな小さな生きものでも、生命があるので回収し陸上へ
持ち帰ることは、ためらってしまいます。そうかといって本来存在しない人工物を海中に
置いてくるのもしたくありません。このような場合、心の葛藤があります。
今回は、前回の回収から時間があいたので、藻類のしげった釣り糸がたくさん
ありました。
できることなら1か月に1~2回は来て藻類が繁殖する前に回収したいものです。
特に釣り場前の海底のサンゴに釣り具が絡んでいましたが、今日は休日で
釣り人がたくさんおられたので、近寄れませんでした。
サンゴに絡んでいる男性用下着を見つけました。
何故なのか時々男性用下着を水中で見つけるのです。
これが海底のゴミとして漂っているうちはまだいいのですが、一度サンゴに
絡み付くと、波に揺られて動きまわり、サンゴの表面が擦れてポリプにダメージを
与えてしまいます。
悪くすれば繊維が解け、サンゴの枝に絡みついてしまいます。
今回は下着のゴムの部分と、釣り糸が一緒に絡みついていました。
幾つかの枝の先端はポリプが死んで藻類が生えていました。
こうした衣類やロープなどのゴミ?は陸上から風などにより飛ばされて
来るのでしょうか?
一度海に落ちると棲んでいる生きものたちにダメージを与えて
しまうものです。

作業をしている場所は釣り場のすぐ近くなので、時々潮の流れに乗って撒き餌さが
漂ってきます。まるで雪が降ってくるようです。
薄桃色のその餌はゆっくりと海底に沈んでいきます。
それを魚たちが食べています。日に何度も繰り返されていますが、魚にとっては
自然界に存在しない食べ物です、大丈夫なのでしょうか。
釣り具回収は積極的に行いますが、合間合間に海中の景色を楽しんだり、
生きものたちを観察したり、そして撮影したりと、海をいっぱい楽しんでいます。
今回もたくさんの生きものたちとの出会いがありました。
最初はハリセンボンさんからご紹介します。
写真は驚いて去っていく姿です。釣り具回収中に覗いた岩陰でお昼寝していたのかも
しれません。あーごめんなさい…という心境です。
去っていく時青色の目だけがこちらを向いていたのが印象的でした。

小さなサンゴを見つけました。大きさは3センチぐらいでしょうか。
細い枝が綺麗です。

また別の綺麗なサンゴは海底を這うように成長していました。
大きさは2センチぐらいで肉眼では構造がよくわかりませんでした。
撮影した画像を帰宅後見てみると、蛍光の緑色をベースに青紫色と茶色の
ポリプが並んでいることがわかりました。
人間のスケールではとらえきれない世界にも自然の美が潜んでいます。

他にもいろいろなサンゴがあります。
それぞれ無事に育ってほしいものです。



岩礁の陰には金色に見える数ミリの生きものが群れで泳いでいました。
肉眼では稚魚のようにも見えるのですが、エビのようにも見えました。
これも撮影し、後で画像を見てみると、エビのような形をした生きものであることが
わかりました。


岩礁の上にヤドカリがいました。貝殻は年季が入っています。長くお住まいなので
しょうか。目は青色、触覚は黄色でおしゃれです。

岩陰ではイシガキカエルウオがお食事中でした。
岩に生えた藻類を食べているように見えます。
僕が近くで見ているのにおかまいなしにパクパクと食べています。
時々思い出したようにこちらを見上げて不思議そうな表情をします。
目は左右別々に動くので、周囲を常に警戒しているのでしょうか。
いつまで見ていても飽きません。


最後はイバラカンザシです。これはゴカイの仲間で、よくハマサンゴの表面で
見かけます。触ったり、水流の変動などでも一瞬にして穴に引っ込んでしまいます。
またしばらくすると傘が開くように出てきます。
さまざまな色があり、見つけるのがとても楽しい生きものです。


海から上がると、今まで自由に動いていた身体が重力の影響と
腰に巻いたウエイトの重さでずっしりと重たくなりました。
身体は疲労していますが、心は逆に元気になったような気がしました。
潮気が戻りました。
Posted by 有光智彦 at 17:50
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