2017年06月21日

泡瀬干潟6月

住み慣れた本島南部を離れ、本島中部に引っ越してきました。
しばらく更新が中断しましたが再開します。

久し振りの泡瀬干潟です。
干潟にいろいろな異変が続いています。
 ・ヒメマツミドリイシのサンゴ群落の被度の低下
 ・人工航路を造ったことによりフジイロ砂洲の砂の供給が遮断され砂洲が減少し、
  アジサシが営巣できなくなった
 ・砂地ではなかったところに砂が溜まり、カニの仲間のコロニーができたなどの
  環境の変化
 ・最近では藻類の大発生により貝類が大量に死んだ
そのようなことを心配しながら見てきました。

干潟に下りると、米軍の通信基地沿いの古くなった護岸を新しく造り変える
工事をしていました。新しい護岸は以前の物より干潟に出っ張っているように見えます。
泡瀬干潟6月

大潮なので沖合まで引いています。
埋立関係の作業船の姿はありませんが、今後建設するマリーナの防波堤が
どれぐらい干潟にせり出してくるのか気になります。
泡瀬干潟6月

ひたひたの海水の干潟を慎重に歩きます。
藻類の間にアメフラシを見付けました。ゆっくりと動きながら食事をしています。
泡瀬干潟6月

干潟の一部に緑藻の仲間が拡がっていました。後で聞きましたが、
今ある緑藻の前は別の種類の藻類が大発生して貝類が大量に死んだとのこと。
(新聞やテレビニュースで報道)
泡瀬干潟6月

近づいて観察すると巻き貝やヤドカリの仲間が藻類の上を移動していました。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

沖まで来てみると南風が強いためかそれほど潮が引いておらず、海水も
やや濁っていました。
膝ほどの水深の海草藻場に潜ってみました。
潮の流れは無く10センチほどの海草の草原が拡がっていました。
無数の小さな気泡が立ち昇っています。美しい光景です。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

腹ばいになり、シュノーケルで静かに呼吸していると、魚たちが近寄ってきました。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

海草の葉に付いた気泡がキラキラと光っています。
泡瀬干潟6月

細い海草の先端には、それぞれ小さな巻き貝がぶら下がっています。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

こんもりした藻類の中から魚が顔を出しています。
泡瀬干潟6月

海草をかき分けるように進んでいると、エビとハゼが一緒に棲んでいる巣穴が
ありました。共生していて、ハゼが監視役、エビは巣穴を堀る役目です。
私の気配を感じて一瞬で巣穴に隠れましたが、静かにしているとハゼから
出てきました。エビは警戒しているハゼにはお構い無しに奥から砂を運び
出してきます。『どいてどいて』と言っているように見えます。
エビは腕を上手に使って砂を運び出し、巣穴の縁まで押し上げると、
サッと身を引いて砂を捨てて巣穴に戻ります。砂を投げ捨てるという感じです。
エビは身体じゅう砂まみれです。見ていて飽きません。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

エビとハゼを30分も観察したでしょうか。腹ばいで観察しているので長時間は
しんどいです。
そろそろ潮が動き出したようです。海面にホコリのようなものが
流れていきます。透明度がぐっと落ちました。
流れが強くなる前にフジイロ砂洲に上がることにしました。

数年前、埋立工事用の土砂を運び入れるためにフジイロ砂洲を横切るかたちで
人工の航路を掘りました。その後、沖から供給されていた砂が航路の海底に
流れ落ち、砂洲に砂が供給されなくなりました。
砂洲はどんどん無くなり、アジサシが営巣できなくなりました。
この日は砂洲の上に数羽のアジサシが飛んでいるのを確認できましたが、
営巣しているかどうかはわかりませんでした。満潮線を見るとほとんど
海面下に没しているように見えました。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

下の写真は、2009年6月に撮影したフジイロ砂洲の様子です。
たくさんのアジサシが営巣し雛を育てていました。砂洲の上を歩く人から砂洲の
高さがわかります。
泡瀬干潟6月 泡瀬干潟6月

2013年3月頃にはほとんどまっ平らになりました。
泡瀬干潟6月

この先、フジイロ砂洲はどのようになるのでしょうか。
そのように思いながら干潟を後にしました。


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