2018年4月釣り具回収

有光智彦

2018年05月20日 23:50

 水温は約27度、ずいぶん水温が上がってきました。
 昨年の夏も水温が高く、サンゴはダメージを受けましたが、5センチ前後の小さなサンゴが
 岩礁のあちらこちらに育って来ているのは救いです。
 
 サンゴの表面を拡大して見てみると小さな触手が出ていてきれいです。
 
 サンゴの枝の間からはヤドカリがこちらを見ています。
 
 小さな花がいっぱい咲いているように見えるソフトコーラルの触手もみごとです。
    
 カメラを近づけすぎて触手のどれかに触れたとたん、たちまち一株全体の触手が、
 閉じてしまいました。危険を察知すると、情報が全体に伝達される仕組みがあるようです。
    

 何らかの理由で折れてしまったサンゴのかけらがソフトコーラルの上に乗っています。
 波の力で岩礁の上に落ち、育つ条件がととのえば、根付いて成長を始める可能性があります。
 

 釣り具の回収は、生きものの観察と同時進行で進めます。

 ソフトコーラルの間でヤエヤマギンポがくつろいでいます。
 愛嬌のある表情をしています。
 

 この海域の釣り具の回収を始めておおむね10年が経過しましたが、
 何度も釣り糸が引っかかるサンゴに再び釣り糸が絡まっていました。
 それでもそのサンゴは頑張って生きています。 
 

 サンゴに釣り糸が絡まると、触手など柔らかい部分を傷つけてしまい、
 衰弱し、やがて死滅する場合も少なくありません。
 

 絡まって時間が経過し、藻類が付着した釣り糸を多く見かけます。
 狭い範囲での回収を続けてきましたが、来るたびに新たな釣り糸が絡んでいます。
 釣り糸が絡んでいるサンゴ全部から取り除いてあげられず、 気がかりなまま
 帰らなければなりません。 
    
 
 作業もそろそろ終わりの頃、壊れた巻き貝の穴からギンポの仲間が顔を出していました。
 その優しい表情を見て、心が暖かくなりました。
 

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