今日の沖縄は,晴天。でも風は冷たく,湿度も低い一日でした。
腰の調子もだいぶん良くなり,カブ号で海へ行くことにしました。
祝日の国道331号線は,「わ」ナンバーのレンタカーが目立ちます。
ひんやりとした風を切りながら快調に走ります。
太陽は天中です。飛行機雲が短い尾を引きながら太陽の横を過ぎていきます。
海岸はダイバーや家族連れで賑わっています。
さっそく,ウエットスーツに着替えて海に入ります。
今日の干潮は16時16分で3㎝です。年間のなかでも,よく潮が引く日です。
最干まで2時間あります。イノーは既に浅くなっています。
撮影の対象は,昨日見付けた,魚の卵です。
小さな穴の壁に無数の卵が生み付けられていました。
その中の半分は,もうすぐ生まれそうです。
その場所へ向かいます。
イノーは,風を受けてさざ波が立っています。
昨日の場所にやっては来たものの,なかなか卵を見付けられません。
何処だったかなぁー?ときょろきょろしますが,物覚えが悪くなったものです。
しばらくあきらめて,他の生きものを観察することにしました。
最初に見付けたのは,ヘビギンポの子どもです。
水中に射し込んでくる強い太陽光線によって身体が透けて見えます。
とても美しい場面です。撮影に夢中になりました。
ヘビギンポの子どもは,辛抱強くつきあってくれました。
お陰様でたくさんの写真を撮りました。
岩陰に小さなサンゴを見付けました。光が射し込んで,とても綺麗です。
最も水面に近いところでは,「カノコオオギガニ」が海藻をハサミでつまんで
食べていました。驚くと直ぐにサンゴの下に隠れるのでカメラをゆっくりと
カニの前面に移動します。
間近に迫ると,見るからに強そうです。
ヤドカリも見かけました。
かわいらしい小さなヤドカリさんがのぞいていました。
それにしても,貝殻が大き過ぎるように見えるのですが。笑い。
海底では,小さな貝に生み付けられた卵を見付けました。
どんな生きものの卵なのでしょうか。
役目を終えた貝殻も,資源の少ない海の中では再利用されるのですね。
潮が満ち始めた頃,ようやく,目的の卵を見付けました。
でも,昨日の場所とは違うようです。
卵は,やはり穴の奥にびっしりと生み付けられています。
中には,今にも生まれそうなものもあります。
一つ一つの卵の中に黒い目が2つづつ見えます。
もう,視力があるのでしょうか。
浅い場所にある卵は,太陽の七色の光線が降り注ぎ,卵を見守ります。
撮影を終え,その場を離れたとたん,卵の元に一匹の魚が駆け寄りました。
そうです。卵の親なんです。
卵は産みっぱなしではなく,大事に大事に24時間,守られていたのです。
付近にはカニも魚も沢山居るから油断すると直ぐに食べられちゃうのでしょう。
私が撮影中,どこからかハラハラしながら見ていたはずです。
悪いことをしたと思いました。心配をかけました。
卵の産みの主は,「タテガミカエルウオ」さんでした。
私は,そろりそろりとその場所を静かに後にしました。
生まれた全ての子どもが無事に大きく成長できることはないのでしょうが
それでも,なんとか外敵から逃げおおせて大きく成長することを
願うばかりです。
浜に上がる寸前のところで,「海のお米」と言われている「カイアシ類」を見付けました。
「カイアシ類」は専門用語で「コペポーダ」といい甲殻類に属します。通称は「コペ」です。
長さは僅かに1ミリメートルです。ちょろちょろするので,目で追うのも大変です。
何度か,海中で見かけたこときありますが,一度も撮影に成功していません。
今日こそは!と慎重に接近し,撮影に奮闘しました。
「カイアシ(橈脚)」とは,胸部の下に五対の脚があり,これをオール(橈・かい)
のように使って泳ぐことから名付けられたようです。
※参考図書:「海の生き物100の不思議」東京大学海洋研究所編。
「カイアシ類」は小さな魚たちの食べ物となります。まさに「海のお米」です。