海の中では産卵の季節が続いています。
サンゴの産卵も始まりました。
ウミガメの産卵も確認されています。
昨夜は満月。たくさんの生きものが願いを込めて壮大な海に命を放ったことでしょう。
陸上では,梅雨が続いているようですが,天気は連日晴天続きです。
現在の室温は26度,湿度は74%です。さわやかです。
前回お話した砂辺のイカの卵の様子です。
産卵日は5月3日。
下の写真は5月20日です。
卵の外殻は透明度が増して中の様子がうかがえるようになっています。
卵黄を持ったイカの赤ちゃんが見えます。
その後,6月2日に確認すると,ほぼイカの形が出来ていました。
この小さなカプセルの中で約一ヶ月間,何億年もの間,いとなまれてきた命の
連鎖がまた一つ形になったのです。
科学が発達した現在でも,人間には決して造ることの出来ない神秘の世界です。
未だ神の領域が保たれていることに,私はほっとします。
人間には不可能な世界が残っていることが,どんなに尊いことか。
そして,6月7日,産卵場の直ぐ近くの浅瀬で二匹のイカの赤ちゃんを見つけました。
とてもかわいらしい不思議な姿です。
体長は約3㎝程度。
目も親そっくりでやさしそうです。
時々足を伸ばしていましたが,波とともに漂っている感じでした。
二匹は寄り添っていました。
一ヶ月前に見た親の姿と赤ちゃんの姿から,おそらく「トラフコウイカ」だろうと
推定しました。
元気に育ってほしいと願わずにはいられませんでした。
また,別の海では,小さな生きものが卵を抱えて一所懸命に生きている姿を見ました。
下の写真は,海毛虫の仲間でしょうか。
体長はほんの3㎜ほど。
お腹の下に沢山の卵を抱えているのがわかるでしょうか。
数匹がまとまり,浜辺の方向を目指して泳いでいました。
おそらく産卵のために浅瀬に向かうのでしょう。
近くには,大型の魚もたくさん泳いでいます。
大丈夫とは決して言えません。見つかれば,ひと飲みにされます。
普段は海底で生活をする種です。
自分の命をかけ,危険に満ちた行動ですが,私には光輝いて神々しい
お母さんたちの姿でした。
人間と同じですね。