夏の海では小中学生や高校生,観光客も多数の人が海で泳いでいます。
しかし,その装備は内地の海と変わらず,水着にTシャツ,
足にはビーチサンダルという軽装です。
沖縄の海は熱帯に属していて,内地と違い有毒の生物がたくさん
生息しています。
内地から来た人は,それを知らない人が多いように思います。
全く知らない人ばかりと言ってもいいほどです。
また,沖縄人でも若者は知らないことが多いようです。
私は,子どもを含め,気軽に遊んでいる海で幾つかの危険生物が近くに
いるのを目撃しています。
そのような場合,周りに警戒を呼びかけていますが,その場限りですから
あまり意味がありません。
先日も,ついに死亡事故が発生し新聞に載りました。
いつ起こっても不思議はないと改めて思います。
下の記事は沖縄タイムス8月6日の記事です。
オニダルマオコゼは,どこの海でも海岸でも見かけます。
水深50センチの浅瀬から生息しています。
岩のように動かず,その外見も海藻などが生えていて,慣れていないと
発見は困難です。近づいても全く動きません。
自然海岸の浅瀬で盲目的に海底を歩くのは自殺行為です。
踏む確立が低いだけです。運が悪ければ踏むのです。
1983年8月にもオニダルマオコゼの死亡例があります。
読谷村の浅瀬で漁をしていた31歳男性が左大腿部を4カ所刺されて
います。オコゼは素潜りで捕まえたものを網袋に入れていていたようです。
水深40センチのところで倒れた男性を高校生が発見者し,人工呼吸を施し
たが,救急車で搬送中に死亡したとなっています。
(沖縄・海・海洋危険生物海洋危険生物研究会・
沖縄県立看護大学公衆衛生学免学研究室発行 2000年の書籍より)
意識を失えばどんなに浅くても水死も考えられるので,浅いからといって
油断できません。
オニダルマオコゼの大きさは30~40センチもあり,水中で見ると更に
大きく見えます。毒針は背びれに13本あるそうです。
ゴムゾーリ,運動靴,地下足袋,ダイバーシューズなどは全て貫通している
そうです。
刺された場合の応急処置は40~50℃のお湯の中に患部を浸けるといいそうです。
患部を浸けられなければビニール袋などを活用するといいでしょう。
60~90分は浸けるとなっています。
(海洋咬刺傷マニュアル・小浜正博著1995年より)
海に出掛ける時には湯を水筒に入れて持っておくと良いかもしれません。
また,防水性の袋に携帯電話を入れて所持しておくことも大切です。
引き潮の時,磯を沖まで歩いていたら,陸に戻るまでに力尽きて
しまうからです。緊急時の連絡先は118番海上保安庁です。
現場にヘリで駆けつけてくれるでしょう。
海岸で車が来れる場所なら119番の消防です。携帯電話でも
119を押して発信すれば指令センターにつながります。
現場の目標になるものを伝えてください。
もちろん携帯電話は充電を確認しておきましょう。出来れば,小型の
充電器(コンビニで1000円くらい)と予備電池があれば完璧です。
さらに良く海へ出掛ける人はアウトドア用の小型GPSを持っていくと
現場の緯度経度を伝えられて確実に救助してもらえるでしょう。