2009年01月14日

海の不思議

10,11,12,13日と連続で海に入りました。
サンゴ礁の内側のイノーの水温は,19℃。
外洋は22℃です。
今日は,外洋で変わった生きものを見付けたので紹介します。

海の不思議

外洋が穏やかで,日光がサンサンと降り注いでいました。
濃いブルーの海中は遠くまで透けて見えています。
海面を気持ちよく漂っていると,他にも漂っている生きものを見付けました。
以前,一瞬見付けて直ぐに見失っていた生物です。
大きさは,2ミリから1センチぐらいで,半透明,いろいろな形があります。
これは,いったいどんな生きものなのでしょうか。
まるで顕微鏡写真のようですが,海中の中で漂う姿をそのままを撮影しています。
卵でしょうか,それとも幼生でしょうか。動き出す気配はありません。

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中には,明らかに動いているものも見かけます。
確かにクラゲの様です。
傘を閉じたり開いたりしています。大きさは1センチ弱でしょうか。微細です。
一瞬でも目をそらすと,見失うほど半透明です。
カメラで追うのは困難でしたがなんとか姿を捕らえることができました。

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また,強い光を発する僅か2ミリ程度の生きものも見付けました。
まるで,微細な鏡に日光の光線が反射してキラキラと輝いているように見えます。
色は赤や桃色,青や緑にとめまぐるしく変化します。
ちょうど撮影の瞬間は桃色だったようです。
夢中で撮影しましたが,機会は一瞬でした。
広大な海のどこかへ流れて行きました。

海の不思議海の不思議

2時間ぐらい,この不思議な生きものの撮影を続けたでしょうか。
しばらくして,大きな卵の塊が漂っているのを見付けました。卵塊というそうです。
全体の大きさは,約50センチ。無数の卵らしきものが見えます。
赤い卵で所々に白く変質した部分が見られます。
どんな生きものの卵なのでしょうか。どうやってこんな姿に生んだのでしょうか。
とても不思議に思えてきます。

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海は広大です。人間の生活圏の片隅で見ているのは,ほんの僅かな断片に
過ぎないのかもしれません。
私たちを取り巻く世界の不思議がどんどん解明されていく中で生きています。
インターネットやテレビでは,いろいろな番組が流れていて私たちは,沢山の
知識を持っています。
でも,実際に外に出て自分の目でその不思議と出逢ったとき,まだまだ
知られざる世界が存在し,夢をはせることができるのだということを知るのだと
思います。

まるで,海は生きもの濃いスープのようです。

しばらくしてから,サンゴ礁の内側に戻りました。
満潮が始まり,取り残された岩礁の上に一羽の鳥が小魚を狙っています。
どんな鳥なのか知りたくなり,そろりそろりと接近します。
普通人間が近寄ってくると,警戒して直ぐに飛び立ちますが,水面を得体の知れない
ものが近づいて来るのに困惑したのか,じっとしてこちらを観察しています。
わずか2メートル直近の海面すれすれから鳥を眺めることができました。
鳥は,左の目で見たり右の目で見たり,こちらを凝視しています。笑。
たまらなくおもしろいので,そーとシャッターを切りました。
頭には,産毛のような毛が沢山生えていて逆立っています。
更にアップをと接近すると,さすがに飛んでいってしまいました。
それが下の写真です。

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イノーの中は外洋に比べると2℃ぐらい低いので,とても冷たく感じます。
満ち潮で外洋の暖かな海水が流れ込んでくると段々と水温も上がってきます。
暖かくなった海中には,元気な魚たちが戻ってきます。

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サンゴの穴の中から何か白いヒモのようなのが1メートルほど出ていて
先端はごそごそ動いています。何だろうと接近し観察します。

海の不思議

先端を良くみると毛細血管が見えます。こちょこちょとこそぶるとピクピクと
反応します。

海の不思議

引っ張ってみましたら10センチほど縮みました。
元は何処につながっているのだろうかと探してみると,サンゴの奥の方に
なんとタコが居ました。このタコの胴体の一部でした。
いったい何をしていたのでしょうか。そしてこの触手のようなものは何の役割を
しているのでしょうか。またまた不思議発見です。!
「みっかったか!」と奥へ奥へ引っ込むタコがかわいそうなので,その場を離れる
ことにしました。

海の不思議海の不思議

毎日海に入れば,同じような海の装いの中にも,必ず一つは発見があるものです。
だから,決して飽きることがありません。
この発見をみなさんに伝えることが,私の楽しみでもあるのです。

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大きな雲が通り過ぎた後,再びサンサンと陽光が降り注ぎ始めました。

海の不思議


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いよいよ明日【リーフチェッカーさめの日記】at 2009年01月14日 14:27
この記事へのコメント
http://shark.ti-da.net/e2502256.html

泡瀬干潟、明日埋め立て開始です。無念・・
Posted by さめさめ at 2009年01月14日 14:12
お久しぶりです。
お元気の様子で何よりです。
年賀有難う御座いました。
可愛い海の生き物が可愛いですね!
Posted by アクセス オオホリ at 2009年01月14日 17:15
お久しぶりです。
くじゅう山ろくは、昼間でも氷点下です。
高校生の娘たちは、そりを出して田んぼの土手で遊んでいます。
雪の下でもふきのとうは根っこを張り出し、芽ぶきを準備しているようです。

有光さんの「まるで,海は生きもの濃いスープのようです。」
にある思いと、全然想像力を働かせないで”見えない”から
ないものとして埋め立ててしまう行為の何たる乖離。
人の声さえ”聞こえない”のだろうか。
暗澹たる思いですが、写真をみて癒されます。
Posted by 大分の増田 at 2009年01月14日 22:45
さめ 様

とうとう泡瀬の埋め立てが始まりました。
しかし,あきらめずに訴え続けたいと思います。
小さな力ですが,いつか必ず大きな力となることを信じて。
Posted by 有光智彦有光智彦 at 2009年01月15日 20:04
アクセス・オオホリ様

こんばんは。
皆様お元気ですか。
コメントありがとうございます。
沖縄に来て,美しく楽しい海だけでないことを知りました。
当初,綺麗な魚たちを撮っているだけのスタイルから
彼らのメッセージを伝えられるような写真の取り方に
変わってきました。
これからも,どうぞ応援よろしくお願いします。
ありがとうございました。
Posted by 有光智彦有光智彦 at 2009年01月15日 20:08
増田 様

こんばんは。
沖縄も一年じゅうで一番寒い季節を迎えています。
夜は冷え込み,今は13℃ぐらいです。
小鳥たちも食べ物が少なくなる時期なので,
屋上の植木の幹にミカンやパパイヤの果物を
刺してあげています。翌日には,種だけ残して
きれいに食べています。
「ふきのとう」ですか。以前,くじゅうの先輩の山小屋
のお宅で,庭に積もった雪の中からふっくらとした
ふきのとうが顔を出しているのを見たことがあります。
感動して何枚も写真を撮ったことを思い出しました。
春が待ち遠しいですねぇ。
泡瀬の暗い話題を提供しましたが,自然保護は
心から楽しんで続けていきたいと思いますから
楽しい素敵な話題が提供できるように,ちばって
(沖縄の言葉で,がんばれよおー!のことを
ちばりよおー!といいます。笑 )いきます。
Posted by 有光智彦有光智彦 at 2009年01月15日 20:20