2010年04月07日

釣り糸回収

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今日の沖縄は雨でした。
ようやく寒い日も無くなり,「うりずん」と呼ばれる
一年中で最も過ごしやすい季節を迎えています。
海の中は,まだ活気がありません。
もう少し暖かくなり,産卵のシーズンを迎えると稚魚が
たくさん誕生し,とても賑やかになってきます。
現在の水温は23℃ぐらいで,2時間以上入っていると
寒くなります。
ここ一ヶ月の間に3回ほど釣り糸の回収を行ったので
その様子をお伝えします。

4月に入り,イカ釣りのシーズンも終わりに近づいた
ようで,エギを使った釣りを見かけなくなりましたが,
海の中には,あちらこちらに切れたエギが引っかかったままに
なっています。下記の写真は水深5メートルに生息する
ソフトコーラルに絡みついた釣り糸とエギ(合計5つの塊)です。

釣り糸回収

しかし,全体的に回収量が減少傾向です。
2ヶ月前に新聞に取り上げてもらった成果なのか,それとも
どなたかが,釣り具を回収してくれているのかは不明です。

気になったことは,同じサンゴに3回目の釣り糸が絡んでいた
ことです。

釣り糸回収

おそらく地形から釣り具を投入するポイントに
なっているのでしょう。
もじゃもじゃと絡みついたサンゴから,沖に向かって
釣り糸が伸びています。

釣り糸回収

辿っていくと,岩の突起で方向を変えて

釣り糸回収

ソフトコーラルの上を通り,

釣り糸回収

サルカンの分岐で片方にプラグが2つ,

釣り糸回収

さらに辿ると,末端では釣り針が岩礁に食いついていました。

釣り糸回収

また,護岸工事の際に用いられたロープが流出し,辺りのサンゴに
頻繁に絡みついていることが多々ありました。

釣り糸回収釣り糸回収

他にも,サンゴに絡みついた釣り糸が後をたちません。

釣り糸回収釣り糸回収釣り糸回収

次の写真は,釣り糸+イカエギ+なんと靴下です。

釣り糸回収

回収をしていると,岩棚の上からイシガキカエルウオが覗いて
いました。

釣り糸回収

そして,アンボイナ(ハブ貝)までもが釣り糸に引っかかって
海底で拘束されていました。アンボイナは猛毒の貝で,これに刺されると
死に至る非常に恐い生きものです。
慎重に釣り糸を切断し放してやると,ヨタヨタと這っていきました。

釣り糸回収釣り糸回収

下の写真は,ソフトコーラルに大きな釣り針が刺さっています。
とくによく見るケースです。

釣り糸回収

釣場の真下の岩棚のくぼみには,鉛が一カ所に大小9個も溜まって
いました。鉛は溶けていきますが,生物には有害です。

釣り糸回収釣り糸回収

いつものように回収を続けながら,近くの生きものを観察して
楽しんでいます。

ヨウラククラゲの仲間でしょうか?
まるでガラス細工のようです。ちゃぷんちゃぷんと揺れる
波間で撮影するのは容易ではありませんが,何枚かは見られる
画像が撮れました。

釣り糸回収釣り糸回収釣り糸回収釣り糸回収

全長は約40センチぐらい,太さは約3センチほどで,弾力のある
ゼラチン質でした。触っていると,幾つかの構造体が分離しました。
それは一つ一つが三軸の星形で,拍動していました。

他にも変わった生きものを見付けました。
大きさは,全長約5センチで,内部には構造が見られます。

釣り糸回収

いったいどんな生きものなのでしょうか。

釣り糸回収

陸に上がる前に岩の上にギンポの巣穴を見付けました。
どうやらヘビガイの殻を我が家に選んだようです。

釣り糸回収

幾つかのシラヒゲウニも見かけましたが、いろいろくっっけてカムフラージュ
していますが,利用しているもののうち人工物が多いことに驚きました。

釣り糸回収釣り糸回収



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Posted by 有光智彦 at 00:45 │釣り具の回収
この記事へのコメント
今回のクラゲのような生物
不思議ですね~

シラヒゲウニのカムフラージュいやですね~
私たちの行動を見せつけられているようで、、

有光さんを応援している ちっちゃな め め
何処にいても見つめられていますね~

朝から良い刺激をいただきました!
Posted by グリーン at 2010年04月07日 08:55
グリーン 様

こんにちは。
コメントありがとうございます。
シラヒゲウニの人工ゴミは,ご指摘のとおり,
私たち人間の所業による鏡のように見えますね。

現在進行中の普天間移設問題も人間中心の考え方です。
人間社会という狭義の思考に埋没して
私たちの住むかけがえのない地球という発想が
最初から欠落しています。
人類社会の成熟はありえるのでしょうか。
人間である私は,人間不信になりそうです。
Posted by 有光智彦 at 2010年04月07日 13:00
いわゆる「普天間移設」を含む基地建設や自然を壊す開発は、人間さえも無視した、ほんの一部の者の利益のためのものだと思います。
普天間周辺や基地を建設されようとしている土地の人たちや生きものたちの人権はまるで放っておかれています。
人間の命も、ほかの生物の命も、どちらも等しく大事なはずだと思います。
充分な正しい判断材料があれば、人々は正しく行動ができると思いますが、マスメディアはそれを提供しません。
しっかりアンテナを張って正しい情報をキャッチし、より多くの人に伝えていくことは、私たちにできる事の一つだと思います。


日本国憲法
第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

「自然の権利」基金
http://www.f-rn.org/
Posted by コースケ at 2010年04月08日 11:56
有光智彦様

メッセージ頂き ありがとうございます。

返信できず すみません。
遅ればせながら 写真展よかった~
有光智彦さんが撮られる生命の営み 色 感動です。
あれだけ綺麗な姿の生き物たちを、形に出来るかなと写真の前で考えこんでしまいました。

見て頂こうとしていた物は、今手元に無いのですが
あれからも色々かいりょうちゅうです。(海に行けず ストレスがー)


上の写真の 手すりのゴミ袋には
おどろきました 持ってきた物を、なぜ置いて行くのでしょうね。
来た時よりも 1つでも多く ゴミを拾い持ち帰るという行動をすれば綺麗な海岸・海に成るのに。

今月は、海に行くぞー もう部屋に篭るのは嫌だー
早く注文 作らんと(涙)
Posted by や~る~ at 2010年04月10日 02:44
コースケ 様

今朝の朝刊には「密約」の記事がクローズアップされていました。
厳格な憲法を制定した国家の中で,国民をも騙す行為が行われ,現在も
人権を無視した政府の政策が展開しています。

いったいこの国の「誠」はどこにあるのでしょうか。

よく大戦後の政策をドイツと比較して語られますが,
ドイツは,戦後処理を的確に行い,現在も聡明な意思表示を行って
国政を展開しています。一方で日本の国政はふらふらと方向性が
定まらず,しかも内部では旧政権が現政権の奪回をねらって
います。いったい誰のための政治なのでしょうか。

今年は生物多様性国際会議の年で日本が議長国です。
サンゴ礁やもずくの産地が広がる沖縄の勝連沖を広大に埋立て,
日米合わせた一大軍事基地を造るという発想が自然保護会議の
議長国を務める国の考えることなのでしょうか。

私たちは,政治,社会,自然保護などの問題を自分のこととして
勉強して考え,行動しなければならないと思います。
情報の取捨選択もしかりですね。
Posted by 有光智彦 at 2010年04月10日 18:57
や~る~ 様

トンボ玉の制作,お疲れ様です。
暑い中,バーナーの炎と格闘している(調和かな)ことでしょう。
屋外が好きな人間が屋内での仕事をしなければならないのは
ストレスが溜まりますね。私も,屋外派なので,写真展の準備など
家での仕事が続くと参ってしまいます。
でも,「職人」という仕事に憧れて今の仕事を選びましたから
苦痛というほどではありません。
機材と材料から,その人の心の人生観というフィルターを通し,
形のある物に仕上がっていくこと。そしてそれが,わずかでも
人の心を豊かにしていく可能性を秘めていること。
一番最初の段階から完成まで自分の意志を全て反映した仕事が
できることが職人の最大の魅力だと思います。
収入は少なくても,より人間らしい生き方ができます。
そして,心の置き方と進むべき方向性とが定まっているならば,
さらに大きな可能性を育むことができます。
お互いに職人として進んでいきましょう。

や~る~さんのトンボ玉は,高度な技術により造られています。
その作品からは,心の純粋さと清らかさがあふれています。
ぜひブログを見てみてください。
ブログは私のブログの「おきにいり」に登録しています。
Posted by 有光智彦 at 2010年04月10日 19:13