2010年05月05日

釣り糸回収4月

画像をクリックすると多少大きくなります。
右上の×をクリックするとブログに戻ります



今日は5月5日の連休最終日,沖縄はよく晴れています。
気温は27℃,直射では40℃近くはあるでしょうか,ただ風があるので
涼しく感じます。湿度は72%です。
沖縄は,まもなく梅雨入りです。

釣り糸回収4月

昨日,鳩山首相が来沖しました。
今朝の朝刊には,公約破棄とあります。
日本の首相が,沖縄を含めた国民の安全な暮らしを
保証出来ないというのはどういうことなのでしょう。
アメリカとの友好関係と基地問題は全く別問題だと思います。
国民の安全を守るためにも日本のどこにも基地を造らせないと
いう態度を毅然として発言してほしいと思います。
沖縄の県民に頭を下げるのではなく,アメリカに国民の意思を
断固として伝えてほしかったと思います。
日本が,他国に対し,謙虚で真摯な対応をする国であれば,
どんなに小国でも他国から攻められることはないと思います。
毅然とした大人の国であってほしいというのは無理な
ことなのでしょうか。

4月25日は沖縄県民大会がありました。
10万人近くが集まったといいます。
ただ,大変おしかったのが,大会のスローガンです。
「県外・国外移設」となっていたことです。
沖縄県民が基地から被る被害について一番よく知っているのにも
関わらず,何処の国にも基地を造らせないというもう一段上の
思いを表明してもらいたかったと思うのです。
グアムに持っていっても,徳之島に移設しても,そこの住民が
沖縄県民と同じ苦しみを受けることになるのですから。

先日の泡瀬干潟のミニ写真展は琉球ジャスコさんのはからいにより,
さらに3日ほど延長しました。
この間にたくさんの人が見てくれました。
見て頂いた方に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
会場に小さな感想ノートを置いていたところ,予想以上の書き込みが
ありました。その中で特に感慨深い記述がありました。
それは,「泡瀬の海がこんなにきれいだったって写真を見て初めて
気がつきました,なぜ,あんなに埋立反対に必死なのか,理解できました,
多くの人に観てほしいです。60歳の主婦」とありました。

この記述を読んで,意外に泡瀬の海のことを知らない人が多いのだと
思いました。写真で伝えて知ってもらうことの重要性をつくづく
感じました。今回,選挙前に急きょ開催した写真展でしたが,
やってよかったと思っています。

釣り糸回収4月

泡瀬は東門市長が再選されましたが,計画を策定中であり,工事が
中止されたわけではありません。
埋立護岸が残っている以上,潮の流れが既に変わっており,干潟の
地形や生態系が変化しているように見えます。
護岸を撤去しなければ泡瀬の海はダメになるという海をよく知る者の
意見もあります。これからも,ほんとうの海の姿を知って貰うために
写真展をあちこちで開催したいと思います。


さて,本題の釣り糸回収ですが,4月に入りイカのシーズンも
終わりに近づいたのかイカエギが少なくなったようにも思います。
でも,相変わらず釣場前のサンゴには釣り糸が絡みついています。
釣り糸の問題は,ここだけでなく日本国中,世界じゅうの問題
かもしれません。
釣り具が海の環境や生きものに悪い影響を与えていることは確かです。
海に入り,問題点を探す視点で見回せばあちらこちらに問題点がある
ことがわかります。
海上から海の中は見えませんが,大変なことになっているのです。
遊びが環境や生きものの生命を脅かしているのです。
これでいいのでしょうか。

釣り糸がサンゴの美しい海の中を伸びています。

釣り糸回収4月

イカエギがソフトコーラルに引っかかっています。

釣り糸回収4月

釣り糸回収4月

ルアーの針もソフトコーラルに食い込んでいます。
除去したところには穴が開いて傷んでいます。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

釣り糸でぐるぐる巻きのサンゴです。

釣り糸回収4月

たくさんあります。

釣り糸回収4月

サンゴは外すことができません。
やがて死滅します。

釣り糸回収4月

釣り具を回収していると,釣場からいろいろなゴミが流れてきます。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

釣りのおじさんが撒いた,撒き餌も流れて来ます。
海の中に存在しないものを魚たちが,毎日毎日たくさん摂取しています。
その中には防腐剤の入ったものもあるでしょう。
時々奇形の魚を見ることがありますが,因果関係がわからないけど,
釣り上げたその魚を食べるのは人間だということがはたして
わかっているのでしょうか。生物濃縮を理解すると,どれほど恐ろしい
ことなのかわかると思うのですが。

釣り糸回収4月

なにげなくやっている人間の所業が自然界に大きな負担をかけています。

釣場前の海には,たくさんの生きものが生息しています。
ここで生まれた稚魚たちもいます。

空き屋となったヘビ貝で暮らすギンポの仲間です。
時々お食事に出て留守になります。

釣り糸回収4月

ソフトコーラルの上にはトラギスの仲間がくつろいでいます。

釣り糸回収4月

次の写真はナマコの放精でしょうか。
いつもは這っているなまこが立ち上がり先端から白い糸のような
ものを放っています。

釣り糸回収4月

やがて,もうだめーという感じで,着底しました。

釣り糸回収4月

これはアワビの仲間の稚貝でしょうか,大きさは1センチぐらいです。
意外に速い動きをします。

釣り糸回収4月

稚魚の群れもいます。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

サンゴを拡大してお見せします。
石のようにしか見えないサンゴも近づいてよく見ると生きていることが
わかります。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

たくさんの触手は,サンゴ虫の身体の一部です。

釣り糸回収4月

こちらはハマサンゴの間に生えていたヒドラの仲間でしょうか。
非常に小さな生きものです。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月釣り糸回収4月

イソギンチャクの触手の下にヤドカリを見つけました。貝にはいろいろな海綿が
付着しています。その上を三角形の小さな巻き貝が這っていました。
カメラを近づけると,イソギンチャクの触手の奥に入っていきました。
イソギンチャクには毒があるため,安全なのでしょう。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

ウニの横ではギンポの仲間が私を見上げていました。

釣り糸回収4月

釣場の真下にもギンポの仲間がいました。

釣り糸回収4月

テトラポットの上にもたくさんのサンゴが育っていますが,
ここが釣場になっているので,ほとんどのサンゴに釣り具が
からまったままとなっています。
釣り人の居ないときに立ち入って除去したいのですが,
居なくなることはめったにありません。
サンゴは常に脅威にさらされているのです。

釣り糸回収4月釣り糸回収4月

人間本位の自然界との関わりではなく,自然界への畏敬の念をもった
関わりになることを願わずにはいられません。
このゴールデンウィーク中に私が海で見てきた人間の所業の数々を
次回の更新で掲載しようと思います。
私たち人間は,自然界に対してこれでいいのでしょうか。
まずは知ってください。そして考えてみてください。

釣り糸回収4月


同じカテゴリー(釣り具の回収)の記事
2018年4月釣り具回収
2018年4月釣り具回収(2018-05-20 23:50)

サンゴの白化が心配
サンゴの白化が心配(2016-07-31 23:38)


Posted by 有光智彦 at 12:57 │釣り具の回収
この記事へのコメント
有光智彦さんへ

いつも沖縄の海に対しての切実な想いがひしひしと伝わるブログお疲れ様です!

県民大会について私も沖縄の痛みを他の人々に押し付けないほうがいいと思います。
ただ戦後65年間基地の重圧を押し付けられてきた忍従の歴史を思うともっともっと沖縄に連帯していく日本国民や世界中の声があってもいいと思います。未来のこどもたちに基地という負の遺産を受け継いでいく人の気持ちを思うとハードルの高すぎるのも酷に思えました。
やはり今、一人ひとりが基地反対の声を上げる転換期にあると思います。
沖縄は基地を必要としていないということを日本、及び世界に知ってもらう必要があります。

 東門美津子沖縄市長は早くこれまでの工事を再生工事に転換してもらわないといけないと思います。

いろいろ沖縄は問題が山積みですがこつこつお互いがんばりましょう。 
Posted by とよチャンネルとよチャンネル at 2010年05月09日 15:01
とよチャンネル 様

おはようございます。

 私は,今回のブログで,県外,国外移設のことにふれましたが,友人との会話の中で「問題点を自分の言葉で話せるかどうか」という視点が本当に自分の中にあるのか反省したところです。
 問題の外郭をさらりと指摘することほど簡単なことはありません。
 しかし,自分の言葉とすることは容易ではなさそうです。
 何故なら,実体験を持ってしてはじめて正確に言えることだからです。
 ですが,追体験のような形であれば,背景にあることを自分なりに租借し自分の言葉とすることができるかもしれません。
  そう思い,私の書棚にある基地問題や沖縄戦,安保などの本を読み返しています。中でも,先日本屋で求めてきた阿波根昌鴻氏著「命こそ宝・沖縄反戦の心」が心に響きました。
 反戦地主と政府や防衛施設局との関係,米軍との関係がとてもわかりやすく書かれています。さらに,同氏のもう一つの著書「米軍と農民・沖縄県伊江島」を読む必要に駆られています。
 阿波根氏の本は,読んだことがある人が多いと思いますが,歴史書とは違い,住民レベルの苦悩が理解できます。著者は他界されていますが,基地問題は未だに未解決です。沖縄県民の苦悩の深さに思いをはせると,地球上から基地を無くする前に眼前の基地,沖縄の基地が無くなってほしいと思うのが人情です。それが第一歩かもしれません。

 今朝の沖縄タイムスの2面にチャルマーズ・ジョンソン氏投稿の小さな記事があります。とても,簡素に問題点を指摘していますが,記述の内容はフェアで真摯です。

 環境問題は独立したものではなく,軍事問題と直結しています。
 よそ者の私が,歴史を体験してきた県民と同一の思いを持つことは無理かもしれませんが,近づくことはできるでしょう,もっと勉強していこうと思います。
 コメントありがとうございます。
Posted by 有光智彦有光智彦 at 2010年05月10日 10:55
よそ者とか言って揶揄する人がいるかもしれません。
でも5・15平和行進など本土から多くの人々が沖縄の基地の痛みを共有しようとやって来ます。
そういう心ある人もしますし、有光さんのように沖縄の海を一生懸命よくして行こうとする大切な人材ももっと沖縄の人たちは大切にすべきです!
お互い無理せずがんばりましょう。
ちなみに今度沖縄取材11年目の基地問題の写真展を下記で開催します。
ぜひいらしてください。



『沖縄 1999-2010』豊里友行写真展 開催決定!
普天間飛行場の閉鎖・撤去問題に対する政府案が5月末に出される。
それに合わせて840円の
『沖縄 1999-2010
     戦世・普天間・辺野古』豊里友行写真集を緊急出版する!!
840円の低価格写真集にしたのも多くの人に普天間飛行場の閉鎖・撤去問題を共有していただきたいためです。
全国の書店やインターネットショップでもお求めになれます。
ぜひ御購入してやってください。
この写真集の同内容で写真展も下記の通り開催致します。
ぜひ多くの方にお越しいただきたいです。
どうかよろしくお願いいたします。





『沖縄 1999-2010』豊里友行写真展
2010年5月24日(月)~5月31日(月)
9:00AM ~ 9:00PM *休館日なし(入場無料)

場所:那覇市久茂地公民館
    〒900-0015
    沖縄県那覇市久茂地3-24-1
    ℡(098)891-3443 
 
Posted by とよチャンネル at 2010年05月16日 18:32
とよチャンネル 様

こんにちは。
随分長い期間,沖縄を見続けてきた思いの詰まった写真集なのでしょう。
ほんとうに,ご苦労さまです。
今,この時の大きな転換期に発信する意義は大きいと思います。
那覇に行ったときに立ち寄りたいと思います。
陰ながら今後のご検討をお祈りします。
Posted by 有光智彦 at 2010年05月18日 10:38