魚の子どもたち

有光智彦

2012年08月11日 18:15

私が観察している海の一つに、いつ行っても濁っているところがあります。
その海について、地元の人が言うには、40年前は足の踏み場も困るぐらいの
サンゴが生えていたということです。
私がその海に初めて入ったのは4年前、その時に比べて、
少しずつサンゴや生きものが増えてきたと思います。

その海の透明度は良い時で4~5メートルの視程です。
少々薄気味悪いのですが、撮影を始めると忘れてしまいます。

最初に出逢ったのはアイゴの子どもたちです。
岩などに生えた藻をおいしそうに食べています。
いつも、定住している魚たちから追っ払われているのですが、
それでもなんのその、元気いっぱいです。



今度は目の前をしらすのような群れが通過しました。
ほとんど透明な身体に小さな点のような黒い目が目立ちます
まるで目が泳いでいるようです。
1匹の大きさは1㎝もないようです。
その群れの一匹一匹がキラキラと輝きながら一所懸命泳いでいました。



藻類の周りにはブダイの仲間の子どもたちでしょうか?
ごはんをパクパクと食べていました。
そして‥うんち‥です。みんな同じですね。



岩陰から誰かが見つめています。
微笑んでいるように見えます。
言葉がなくても『気』で通じ合えるように思います。



別の方からも‥‥優しい表情をしています。



サンゴは個体数が少ないものの、ミドリイシの仲間やイシサンゴの仲間など
いろいろな種類のサンゴが見られます。
少しずつ周囲の環境が良くなってきているように感じます。



これから大きくなるサンゴの子どもも多く見かけるようになりました。



きれいなパラソルを開いているのはイバラカンザシです。
ゴカイの仲間です。個体により模様や色が違います。



岩の間を仲良しの4匹が楽しそうに泳いでいます。
みんな子どもたちですが、種類が全員違うように見えます。
静かに近づくと、そのうちの1匹が振り向きました。



岩の間の暗がりに、青色の生きものを見つけました。ホヤの仲間でしょうか。
怪しく光っているように見えます。



赤色のイソバナの枝にベラの仲間の子どもがいました。
身体の後ろに目のような模様があります。
頭の方向を間違えそうです。
逃げる様子がないので、しばらく観察していると、
時々、枝の間からこちらを見ていました。



イソバナは小さなポリプが満開です。



イソバナはいろいろな生きものに住処を提供しているようです。



岩礁で囲まれた静かな場所には魚の子どもたちが群れていました。
身体が半透明なので、太陽の光りに透かして見てみると
とても美しく見えました。





海の中にいると時間があっという間に過ぎていきます。
そろそろ上がろうと帰る途中で魚の大群に出逢いました。
イワシの仲間でしょうか、ものすごい勢いで泳いでいます。
私に驚いたのでしょうか。
しばらくするといなくなりました。



今回もたくさんの生きものたちと出逢うことができました。

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