12月の釣り具回収

有光智彦

2012年12月25日 23:31

先日、10月8日以来の釣り具回収に行きました。
その時の模様をお伝えします。

空は晴れていましたが、南寄りの風が吹いていて海は時化ていました。
回収作業は困難な状況でしたが、活動を行っている海域の様子を確認
するぐらいなら出来そうなので、準備を整えて海に入りました。
海水はさほど冷たさは感じず、水温は約24℃でした。
波打ち際近くの海中にはいろいろなビニール袋を中心に漂流ゴミが
無数に漂っていました。



岸近くの岩礁にある幾つかのサンゴに釣り糸が絡んでいるのを発見
しました。見てしまったら取らずにはいられないのが人情です、波に
もまれながら回収作業に着手しました。



嫁さんも少々の時化には慣れたせいか着々と釣り糸を取り除いていました。



波があり透明度が悪い時は、なるべく相方と離れないように視認距離を
保っています。腰には水中で使えるベル(振ると音が出る単純な器具)を
携えています。これが結構便利で相方に何か用事がある時や見せたいものを
発見した時などにも活用しています。
釣り具の中でイカエギを多く見つけました。



冬になりイカ釣りのシーズンに入ったようです。
エビの脚を模したよな細工がしてあるエギや変わった色のものもありました。
今回はサンゴに絡み付いている釣り糸が多くあり、残念ですが、とうとう
全部は取り切れませんでした。
ですが、時化の中での活動にしてはよく回収した方だったと思いました。

今回回収した釣り具です。ホームページに記載しました。
よろしければ見てみてください。
『海から伝えたいこと』http://www.namiuchigiwa.com/newpage74-34.html

嫁さんは冷えてきたらしく1時間半で岸に上がり、私も更に30分やってから
上がりました。

今日もたくさんの生きものたちに出逢いました。出逢いを楽しみ、観察し、
そして撮影したら、また回収作業を続けます。



作業中、タカラガイの殻を一つ見つけました。中身は空でした。
龍神様からのお土産でしょうか。



生きものが苦しんでいるのを見るのは辛いものですが、絡み付いた釣り糸から
解放されたサンゴは、今夜のびのびとポリプを伸ばしているのかなと思うと
良かった良かったと思うばかりです。
「負荷を与えるのは人間だけど、それを取り除くのも人間だよ」と嫁さんが
よく言います。そうだなぁと思います。



釣り具回収の活動は私たちの大切なライフワークの一つです。
ですが、他にも気がかりな事がたくさんあります。
例えば泡瀬干潟は、生物多様性のホットスポットを浚渫しマリーナを
建設しています。ですが先に出来た与那原にある東浜のマリーナは事業が
頓挫しています。その周辺の一帯も空き地が多く、ホテル用地も空いたまま
です。
『博物館カフェ・ウミエラ館』のブログが参考になります。
http://umierakan.ti-da.net/e4091349.html

泡瀬周辺の海域は暗礁や浅瀬が多くマリンスポーツには不向きでは
ないでしょうか。また、中城湾沿いは工業地帯で景観が悪くクルージングする
気にもなれないでしょう。さらに、ヨットやプレジャーボート人口を考えても
場所代や艇の維持管理費用が非常に高い現状からしても、中城湾のマリーナに
どれだけ魅力を感じて艇を係留する客が来るかは疑問です。
おそらく需要は宜野湾マリーナで精一杯ではないでしょうか。
そのような条件を考えるとマリーナ建設はリスクが大きく、貴重な海を
破壊してまで造ることは理解できません。

泡瀬干潟の浚渫についての記事。こちらも参考になります。
『きゅうりぐさ通信』http://kyuurigusa.ti-da.net/

一方、浦添の西洲一帯の埋め立て計画があり、そこに軍港を造り、
米軍の那覇軍港を移転する予定があるようです。
埋め立てをする海にはサンゴが群生しています。
滅多に新聞記事にはなりませんが、計画は進行中です。

また、那覇空港第二滑走路の計画もしかりです。
サンゴの移植事業が着目されていますが、いくら植えても肝心の
海そのものを埋めていてはいつまでたっても良くならないと思います。
海は部分ではなく、全体がつながっているのですから。

どれも気になることばかりですが、皆様に知ってもらうためにも
これからも伝えられる現状をお伝えしていこうと思います。

「まずは知ることです。知れば考えるきっかけが生まれます。」
これも嫁さんの言葉です。(^_^)





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