2017年12月21日
泡瀬干潟2017年11月
冬の間の潮は深夜に大きく引き、昼間はあまり引きません。
先日、泡瀬干潟を見てきました。
この日の最干潮の潮位は70cmほど。遠くに見える 「フジイロ砂洲」までは歩いて
行けるように見えますが、今日はウエットスーツを着ていないので、安全を
重視し、近場の砂地と砂礫地で観察をすることにしました。
泡瀬干潟の岸近くの底質は、古いサンゴのかけらや、この土地の黒色系の
岩石が細かくなった砂などが堆積した砂地や砂礫地です。
さらに沖に向かうにつれ、岩礁地帯、海草藻場、サンゴ礁由来の白砂と
多様な環境があり、その環境に適した生きものたちが棲んでいます。
岸から数十メートルの砂地には、5cmほどの小さな盛り上がりが
無数に見られます。
これの下には、どんな生きものが棲んでいるのでしょうか?
ゴカイの仲間でしょうか。
その上を歩くと底質は柔らかく、盛り上がりの穴からは海水が
湧き出てきます。
砂地にはコメツキガニの仲間も見られます。
気温が低いせいか動作がゆっくりです。
危険が迫ると回転しながら砂の中に潜って隠れますが、途中で止まって
しまうのもいます。これでは鳥に食べられてしまいそうです。
しばらく静かにしていると砂から出てきて砂を払い、再び歩き始めます。
去っていく後ろ姿は、ユニークです。
干出している砂地は狭く、沖の方へ歩いて行くとすぐに砂礫地になりました。
砂、小石、いろいろな藻類、貝類が見られ、透明な海水がそれらを包んでいます。
最も多いのが藻類で、緑、茶、うす赤ぽいものなど多彩です。
藻の表面には小さな巻き貝も見られました。
早春に多く見られるイソスギナも見られます。
ところどころに二枚貝の殻もあります。
ドーナツのような形をしたものは巻き貝の卵塊です。
砂と混ぜて作るようですが、どのようにして美しい形に
仕上げるのでしょうか。
潮が引いた波打ち際付近を歩いていると、生きものが作った巣穴がありました。
サンゴの枝や貝殻などを組み合わせ上手に作っています。
平らな干潟の中で、周りより少しだけ高い岩礁があります。
近づいて岩の表面を見てみると、化石化したサンゴの形が残っています。
どれぐらい前のものなのでしょうか?
この場所は満潮でも干出しているか、あるいは、わずかに海水で洗われるほどの
浅いところです。これらのサンゴが生きていた頃はもっと水深があったと思われます。
確かなことは、この場所にサンゴが生きていたことです。
岩礁を取り巻くように砂が堆積しています。そこに鳥たちの足あとが残されて
いました。大小入り混じっています。水鳥の仲間でしょうか?
どんな物語があったのでしょうか。
少し沖合に目を向けると鳥たちが集まり、毛づくろいをしたり、水浴びを
楽しんでいます。
泡瀬干潟は生きものたちにとって生存に関わる大事な海です。
泡瀬干潟に人工島が建設される前の海を知る人に話しを聴き、
長年この海を撮影してきた写真家に写真を見せてもらうと、
現在埋め立てたところに素晴らしいサンゴ礁のがあったことが
わかります。
今は、埋め立てた周囲の環境が大きく変化してきています。
今年の春には藻類が大発生し、貝類が大量に死滅しました。
埋め立てにより潮の流れが変わり、砂礫地は砂地に変わり、
海草藻場は地形が変化した場所が見られます。
環境が変わるとそこに棲む生きものの種類も変わります。
環境の変化に耐えられないものはいなくなります。
今、残されている泡瀬干潟の自然を、そこに生きるものたちのために、
きちんと保全していく義務があると思います。
先日、泡瀬干潟を見てきました。
この日の最干潮の潮位は70cmほど。遠くに見える 「フジイロ砂洲」までは歩いて
行けるように見えますが、今日はウエットスーツを着ていないので、安全を
重視し、近場の砂地と砂礫地で観察をすることにしました。
泡瀬干潟の岸近くの底質は、古いサンゴのかけらや、この土地の黒色系の
岩石が細かくなった砂などが堆積した砂地や砂礫地です。
さらに沖に向かうにつれ、岩礁地帯、海草藻場、サンゴ礁由来の白砂と
多様な環境があり、その環境に適した生きものたちが棲んでいます。
岸から数十メートルの砂地には、5cmほどの小さな盛り上がりが
無数に見られます。
これの下には、どんな生きものが棲んでいるのでしょうか?
ゴカイの仲間でしょうか。
その上を歩くと底質は柔らかく、盛り上がりの穴からは海水が
湧き出てきます。
砂地にはコメツキガニの仲間も見られます。
気温が低いせいか動作がゆっくりです。
危険が迫ると回転しながら砂の中に潜って隠れますが、途中で止まって
しまうのもいます。これでは鳥に食べられてしまいそうです。
しばらく静かにしていると砂から出てきて砂を払い、再び歩き始めます。
去っていく後ろ姿は、ユニークです。
干出している砂地は狭く、沖の方へ歩いて行くとすぐに砂礫地になりました。
砂、小石、いろいろな藻類、貝類が見られ、透明な海水がそれらを包んでいます。
最も多いのが藻類で、緑、茶、うす赤ぽいものなど多彩です。
藻の表面には小さな巻き貝も見られました。
早春に多く見られるイソスギナも見られます。
ところどころに二枚貝の殻もあります。
ドーナツのような形をしたものは巻き貝の卵塊です。
砂と混ぜて作るようですが、どのようにして美しい形に
仕上げるのでしょうか。
潮が引いた波打ち際付近を歩いていると、生きものが作った巣穴がありました。
サンゴの枝や貝殻などを組み合わせ上手に作っています。
平らな干潟の中で、周りより少しだけ高い岩礁があります。
近づいて岩の表面を見てみると、化石化したサンゴの形が残っています。
どれぐらい前のものなのでしょうか?
この場所は満潮でも干出しているか、あるいは、わずかに海水で洗われるほどの
浅いところです。これらのサンゴが生きていた頃はもっと水深があったと思われます。
確かなことは、この場所にサンゴが生きていたことです。
岩礁を取り巻くように砂が堆積しています。そこに鳥たちの足あとが残されて
いました。大小入り混じっています。水鳥の仲間でしょうか?
どんな物語があったのでしょうか。
少し沖合に目を向けると鳥たちが集まり、毛づくろいをしたり、水浴びを
楽しんでいます。
泡瀬干潟は生きものたちにとって生存に関わる大事な海です。
泡瀬干潟に人工島が建設される前の海を知る人に話しを聴き、
長年この海を撮影してきた写真家に写真を見せてもらうと、
現在埋め立てたところに素晴らしいサンゴ礁のがあったことが
わかります。
今は、埋め立てた周囲の環境が大きく変化してきています。
今年の春には藻類が大発生し、貝類が大量に死滅しました。
埋め立てにより潮の流れが変わり、砂礫地は砂地に変わり、
海草藻場は地形が変化した場所が見られます。
環境が変わるとそこに棲む生きものの種類も変わります。
環境の変化に耐えられないものはいなくなります。
今、残されている泡瀬干潟の自然を、そこに生きるものたちのために、
きちんと保全していく義務があると思います。
Posted by 有光智彦 at 22:32
│海の生きもの 10~12月│海 泡瀬干潟