2008年10月11日

海中の近況

海では,オカヤドカリの赤ちゃんをたくさん見かけるように
なりました。いつ頃,幼生の時期を終え,陸に上がってくるのでしょうか。
不思議なことがいっぱいです。
どうやら赤ちゃんの時は,身体がオレンジ色をしているようです。
太陽の光線で透けて見えます。とてもきれいです。

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上の写真の白い殻を背負ったのは,少し大きくなったオカヤドカリです。
まだ,子どもでしょうか。
彼らを観察するコツは,海岸の一カ所にしゃがみ込んで,じっと待つことです。
1分もすると,ざわざわと動き出します。
こんなに居たのかと思うぐらい見つけることができるでしょう。
海岸を散歩する時,彼らを踏んでいるのではないかと心配になります。

海の中では,「ミジュン」の大群が来ています。
ミジュンとは,イワシのことのようです。地元の人たちは,そう呼んでいます。
ミジュンは,イノーの中に居て絶えず移動しています。
干潮の時はイノーの最深部,潮が満ちてくると,左手の方へ移動します。
イノーの中に見える黒っぽい大きな固まりがミジュンの大群です。
泳いで行って,大群の中に入り,じっとしていると,私を中心にぐるぐると
回り始めます。まるで,魚の壁です。
体長は7~8㎝程度でしょうか。
干上がった潮溜まりに一匹逃げ遅れたミジュンが日干しになっていました。

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ミジュンの大群に取り囲まれると,何か大きなエネルギー帯にいるようです。
すごい数の命のざわめきです。
彼らから元気を分けてもらっているような気がしました。

今日は,海が凪いでいました。
風が無く外海も静かです。
いつもは,イノーの中にボートを出し,釣りをしている人が,今日は外洋に
出ていました。
イノーの中もミジュン以外はとても静かです。
その中でも,潮溜まりは,特に静かな世界です。
水深はわずかに50㎝~1m。
幼魚の生育場でしょうか。
そんな彼らの世界にちょっとおじゃましました。
最初,見たことの無い珍入者に魚たちは驚きますが
じっと観察していると,次第に平静を取り戻してきます。
一番最初に近づいてくるのは,やっぱり「ダンダラトラギス」です。
沖縄では,「ヒィージャーのミー」といいます。目が横長で,まるで山羊(ヤギ)
の目に似ているからだと言います。ヤギはヒィージャーと言います。
まだ,子どものようです。子どもは特に好奇心が強いので,手元まで
やってきます。彼のどアップ写真です。なんだろうという顔ですか。笑。

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次に近づいて来たのが,イシモチの子どもでしょうか。
岩の陰から出てきました。
一応なんだろうと近づいてきて確認すると,また,岩陰に入ってしまいました。

海中の近況海中の近況

サンゴはしきりに酸素の泡を放っています。
その上に暮らす魚はたくさんいます。
その中でも,特によく見かけるのが,カエルウオとギンポの仲間です。
じっと観察していると,まだ子どもの「ヤエヤマギンポ」がしきりに
海草をかじり取って食べています。そして,思い出したように時々
私の方を観察します。そして安心したら,また食べ始めます。

海中の近況海中の近況

サンゴの巣穴から顔だけ出してのぞいているのは,ギンポの仲間です。
とっても臆病ですが,愛嬌のある表情です。
驚くと,すぐ巣穴に飛び込んでしまいます。
そして,顔だけ出してこちらを伺っています。笑。とってもかわいい魚です。

海中の近況

最後は,ヤドカリさんのお宅です。
なんと,おしゃれな窓付きです。笑。

海中の近況

海の中も初夏の元気がある世界から,午後のけだるさのような
どこか,だらけた感じがする季節を迎えているのでしょうか。
これから,段々水温が下がっていきます。
特に浅い岸沿いは外気の温度の影響を大きく受けるので冷たくなります。
そろそろ素肌では,冷えてくるようです。



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群れの中に入ると・・・あたり一面ミジュンどこかへ泳ぎ渡るでもなく群れはその場で泳ぎまわり前から上から横から 目が回りそうな勢いで泳ぎ回る…回る…まわる海の世界
大度海岸ミジュンの大群の真ん中で【海っ子ゆらり】at 2008年10月14日 10:30
この記事へのコメント
私も先日魚の大群に囲まれました~!
すっごいエネルギーですよね~。
ミジュンっていうんですね~。
Posted by お~しゃん at 2008年10月11日 23:11
こんばんは。
コメントありがとうございます。
大度に行かれたのですね。
彼らは,大きく成長するまで,安全なイノーの中に
留まると地元の方は言っていました。
しばらく居てほしいものです。
魚の大群に囲まれるのを浅いイノーで体験できる
のですから。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
Posted by 有光智彦 at 2008年10月14日 01:04
こんにちは。お久しぶりです。
内地では、徐々に紅葉が始まってきております。
昼間は気温が高いですが、朝・晩は冷え込み、気温差があって
着るものに迷います。

ダンダラトラギスの表情が、また何とも言えない
良い表情をしていますねぇ。(笑)
魚たちは、一見無表情なようで、実は多くの表情をもっているような
気がします。
ミジュンの大群も、圧感ですね!

海は、毎日違う表情をもっているので、本当に魅力的です。
Posted by しおりねーねー at 2008年10月23日 13:42
しおりねーねー様

こんばんは。
コメントいつも感謝です。

今日の大度海岸では,沖縄水産高校の生徒たちが
「タマン:タイの仲間」の稚魚の放流をしていました。
初めての海なので,おっかなびっくりの仕草が
とてもかわいかったですね。
さっそく,他の魚に追っ払われていました。
自然界は過酷ですね。
ミジュンはどうやらイノーからは居なくなった
ようです。おそらく,成長して外洋に出発したのでしょう。
Posted by 有光智彦 at 2008年10月23日 23:58