2010年09月05日

夏の泡瀬干潟

もう8月も終盤です。
泡瀬干潟は埋め立ての護岸が残ったまま工事が中断しています。
沖縄市が新たな計画をつくって国が了承したことで来年度の工事再開と
なっていますが,民意を愚弄する計画の進め方です。

泡瀬干潟がどんなところか,私も写真を通じて何度も公開してきましたが,
いったいどれだけの人が本当の干潟の姿を知っているでしょうか。
今回もあきらめずに写真を公開します。

夏の泡瀬干潟

今ある貴重な自然を潰して都市を造ることを数世代後の人々の立場も考えて
判断しなければならないのではないでしょうか。

何万年もかけて自然が造ってきた生態系をたった数年で壊してしまうこと。
そして壊したら,二度と元には戻らないこと。

※写真をクリックすると少し大きくなります。

夏の泡瀬干潟

重要なことは,数字で自然界を計れないことです。
干潟や藻場の消失面積が小さいので影響がありませんというのは非常に短絡的で
非科学的な発想です。
自然の生態系は,あらゆる環境(山,川,海岸林,砂浜,泥場,干潟,砂地,岩場
,藻場,サンゴ礁…)が一パックで正常に機能しているのです。
その一部を破壊したら全体に異常が出て来ます。
だから,泡瀬干潟のなん%しか埋めないから大丈夫なんてウソなのです。
その証拠に護岸工事で今まであった藻場が消失したり,潮の流れが変化し,
砂州の位置が大きく変化したりしています。
もっと政治に関わる人は,本を読んだり,講習会に行ったりして,生物学などを
勉強すべきです。政治家は政治の事だけ知っておけばいいという時代では
ないと思います。逆に私たちも政治のことを関心を持って知らねばなりません。

夏の泡瀬干潟

将来の沖縄市に住むであろう人たちの財産でもあると思うのです。
将来の市民が,どうしてあの干潟を潰したのか,と文句を言っても
どうすることもできないのです。

夏の泡瀬干潟

埋め立て工事で,一時的には潤う人もいるでしょう,でも,現在となっては
どこにでも無い貴重な自然を破壊することは,よっぽど慎重な議論が必要です。
東門市長に言いたい,一度泡瀬干潟をご自分の足で見てみてほしいと。

夏の泡瀬干潟


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Posted by 有光智彦 at 10:52 │海 泡瀬干潟
この記事へのコメント
政治家の人たちは知らないのではないのです。
知ってて市民を騙してでも開発を進めたい人たちがいるのです。
だからやっかいなんだと思います。
私たちにできることは、そんな事実を一人でも多くの人に伝え、一緒に真実を学ぶことだと思います。
私たち市民が力を付けて、しっかり政治家を選んでいくという具体的な動きにつなげていきたいですね。
その意味でも有光さんの活動はとっても大きな可能性を持っています。
地道に地道に・・・。がんばっていきましょうね。
Posted by きょうこ at 2010年09月06日 12:20
ご無沙汰してます。
いつも釣り糸回収ご苦労様です。
海の記録写真はいつの日か多くの人に感動を呼ぶ作品になるでしょうからあまり無理はせずがんばりましょう。
応援してます===3
Posted by とよチャンネルとよチャンネル at 2010年09月06日 14:41
きょうこ 様

おはようございます。
市民の側から突き上げていかないといけませんね。
きょうも選挙の広報車が廻っていますが,
ひどく大きな音で立候補者の名前を一分間に20回ぐらい
言っています。拒否できないのでたまりません。
名を宣伝しているのか?
何十年と同じ方法ですが,下品な宣伝方法のように
思います。
政策や人物評価によらず,身内,知り合いだからということで
一票を投じる慣習が見受けられます,こんなのでは,
ほんとうにいい政治家を選べないと思います。
石川文洋氏,本多勝一氏など社会の底辺に山積する
問題を根底から取り上げた記事を読みあさっています。
コメントありがとうございます。
 
Posted by 有光智彦 at 2010年09月07日 10:55
とよチャンネル 様

おはようございます。
先日,今年も平敷屋エイサーに行ってきました。
古風でおごそかな演舞に感動して帰ってきました。
現地で小橋川さんに会いました。
小橋川さんは,海の写真家というより,民衆の生活やお祭りなどを
長く撮影している写真家なんですね。
後日,古本屋で写真集を見つけて,そう思いました。
写っている人々の顔が生き生きしているし,対象の核が
浮き彫りになっています。
おそらく,その地に長期間滞在し,
その土地や人々と共に生活をしているから撮影できた写真
なのでしょう。撮影対象を心から愛し,通じ合っていなければ
生きた写真を撮ることができないのだということを感じました。
先日の平敷屋の我が写真は,写っているけどどうも味が薄いのは
そういうことだと思っています。
コメントありがとうございます。
Posted by 有光智彦 at 2010年09月07日 11:14
来年2月にコザを訪れる事から、情報収集していて、この場所を知りました。
私が行く頃には、この素晴らしい場所も消滅しているのでしょうか。

どこにでもある物を作って、土地の人はいいかも知れませんが、外部から見れば、それだけ沖縄の魅力が減る事になるでしょう。


そこでしか見れないものを無くすと言うのは観光的にもマイナスでしょう。
どこにでもあるリゾートではむしろ同じ金額で行けるハワイの方が良くなってしまいます。

風景写真を撮る者(アマチュアですが)としても、この場所が消滅してしまうのは、心が痛みます。
スポッツ
Posted by スポッツ at 2010年09月07日 12:38
こんにちは。
以前の泡瀬干潟は生物も豊かだったんでしょうね。
とても残念です。
でも、まだ間に合うかもしれない。泡瀬干潟が守られますように。
子供達が干潟で遊んでいました。とてもいい風景でした。
埋め立てて、ホテルなんて、何の魅力もなくなる。
心配しています。
有光さんのブログで泡瀬の生き物や風景を見るのを楽しみにしています。
Posted by おきなべ at 2010年09月07日 13:12
スポッツ 様

こんばんは。
沖縄はめずらしく快晴で,満天の星です。
風が止まり外気は28℃,湿度は84%で蒸し暑い夜と
なっています。
泡瀬干潟は現在埋め立てが中断していますが,
来年から工事が再開すると言っています。
しかし,いろいろな問題から事業の見通しは
スムーズとはいえません。
おそらくスポッツさんが来沖される2月はまだ,
工事は再開されていないと思います。
掲載した写真は岸から歩いて20分ぐらいの
沖合の砂州です。干潮時前後2時間なら干出している
ので潮汐表を見てからおこしください。
潮汐は朝刊に那覇基準で掲載してあり,沖縄各地で
数十分の誤差がありますが,前後2時間なら
大丈夫です。干潟は広いので現地情報が必要で
あればメールをして頂ければ干潟への入り口などを
お教えすることもできます。
また,2月は沖縄でも16℃前後で寒いので,防寒対策が
必要です。
そして内地が荒れる時は沖縄も北風が強く寒いです。

沖縄県外の方からのコメントはインパクトがあります。
沖縄県の情報は内地の新聞にほとんど載りませんが,
沖縄県は中国(香港)などの裕福層をターゲットにしたり,
カジノ誘致を計画したりとリゾート観光を推し進めていく
方針のようです。
ほんとうは,そうではなく,今あるものを大切にして
質の高い地道な観光を目指せばよいのですが,目先のお金に
目がくらんでいるのかもしれません。
内地からの観光や癒しを求めて来る人たちが何を求めている
のか盲目的なところがあるとしか思えません。
この島がコンクリートとリゾート(人工ビーチ)の島に
なったら観光産業は確実に下降していくと思います。

コメントありがとうございます。
Posted by 有光智彦 at 2010年09月07日 21:11
おきなべ 様

こんばんは。
工事着工前の手つかずの泡瀬干潟は友人や写真家の
先輩からの話しやいくつかの写真を見て知っています。
豊かなサンゴ礁が広がり,海中は透明度も良く,
無数の魚が乱舞していたようです。
その中で,一番サンゴが生息していたところが現在護岸で
囲われているところです。そこを埋める予定なのです。

干潟には,かつて状態の良い藻場がありましたが,
今は見あたりません。
工事の影響は確実に広がっています。
自然を数字(%)で図ることは無意味です。
どこか一部を壊すと生態系全体が狂ってしまうのです。

でも,まだまだ生きものはたくさんいます。
自然の回復力は大きいと海に携わる人たちは言います。
埋め立てを中止し護岸を撤去するならば,
長い時間はかかってもゆっくりと自然は回復していくと
私は思います。

人間社会の存続に開発は不可欠であっても,取り返しの
つかない破壊は論外です。
泡瀬干潟は沖縄だけではなく,地球やこの先の何世代
にも渡る人たちの共有財産だと思います。

この干潟をおきなべさんと同じ思いから守ろうと
頑張っている人たちが私の周りにたくさんいます。
心強い人たちです。
私も写真を通じて写真展なども計画しています。
ベストをつくしますので,どうぞ応援してやってください。
コメントありがとうございます。
Posted by 有光智彦 at 2010年09月07日 21:37