2011年07月18日
水難事故
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昨日7月17日の沖縄タイムスの朝刊に悲しい事故が掲載されました。
沖縄県うるま市勝連浜の人工海浜(浜比嘉島)の防波堤で一人で釣りを
していた小学1年生(6歳)の男の子が溺れて亡くなりました。
新聞によると目撃者がおらず溺れたいきさつはわからないそうですが,
男の子は母親湖らと約20人で浜を訪れていたが,事故発生時は一人で
防波堤の上で釣りをしていたといいます。
現場は高潮・浸食対策事業で整備された海岸で,県条例に基づく
海水浴場ではないため監視員などはいないそうです。
現場の近くにいた新里区長の話しを新聞から引用すると
「…防波堤の下は急に深くなっているという。以前は波打ち際から防波堤まで
緩やかに深くなっていたが,5月の台風2号で砂が流れたからではないか。…」


この新聞記事を読んで,私や市民の会が危惧している名護東江の
人工海浜の危険性と類似しているかもしれないと思いブログに
書いてみました。

市民の会では,名護市東江の高潮対策事業に関わる
養浜(人工海浜を造成すること)に対し,同現場北側に位置する
既設の人工海浜の危険性を沖縄県北部土木事務所や東江区の住民を
交えた意見交換会で訴えてきました。
また市民の会の一員でもある私も個人的に新聞やブログとんとんみー通信
の中で東江の高潮対策事業のことを公開してきました。

東江の人工海浜の危険性と問題点は次ぎのとおりです。
1.波打ち際から急に深くなっている。(浜の勾配が急)

2.サンゴ礁由来の砂(チービシ産)なのでちょっとした波で海が白濁する。
もし,水難事故が起これば濁った水中で要救助者を見つけることは
容易ではない。

3.外見上人工ビーチと変わらない。(実際は高潮対策に基づく構造物なので
ビーチではないが誰でもが立ち入れ,泳ごうと思えば泳げ,注意書き等の
看板は見あたらないし監視員はいない,地域外から来た人はその海の
特徴などを知らない)
下の写真でわかるとおり波打ち際からちょっとのところから
どん深(濃紺)となっているがビーチではあり得ないことと思う。

4.上記1のような状態にも関わらず,浜なので人々の海に対する
警戒心がうすい。
また,同伴者も警戒心がゆるむ。(浜は安全という先入観)



上記の件をまとめたブログを以前つくっていますのでよろしければ
こちらも参考にしてください。
とんとんみー通信
人工海浜の危険性 http://ari3tsu.ti-da.net/e3289814.html
今朝7月18日の沖縄タイムスには良い記事がありましたので
掲載します。

人工海浜は,事故が起きた勝連の浜や東江のように高潮対策事業として
養浜する場合がありますが,構造上,遊泳するための人工ビーチとの違いは
どういうところにあるのでしょうか。
この辺りは専門知識の乏しい私には難しいところですが,見た目から
二者を比較すると浜の長さについて言えば人工ビーチはより緩やかな
勾配に対し高潮対策の人工海浜はやや短く,勾配も急であるように
思います。また東江の北側にある既設の人工海浜は,今年になってから
来襲した台風の風と波で砂が浜の上の方に押し上げられ浜の形が大きく
変わりました。後日小型のブルドーザーで砂を押し下げていました。
東江の人工海浜には比重の重たいチービシの砂が使われています。
比重が重たいと波の力による浜の勾配が急角度になるという説明を
泡瀬人工島関連の資料から見つけましたが,断言はできません。
この点をよく勉強してみようと思います。
浜は子どもでも安心して遊ぶことができるという思い込みが
危険だと思います。浜といっても自然が造り上げたものではなく,
人工的に造ったものなのです。浜がもともと無い場所に砂をよその海から
持ってきて浜を造ることがその場所の自然環境(波の強さや流れ)と
関わったときにどういう状態になるかをよく調べ,危険だと思われる箇所は
地域住民や来訪者に対し適切な説明(看板やパンフレット)を
行わなければならないと思います。また,人工海浜を造ること事態,
さまざまな角度から徹底的な議論がなされる必要を感じます。
市民の会は東江高潮対策事業で現場の南側の養浜工事に対し,
生きものがたくさん住んでいる海を埋めない方法を考えることと,
北側の既設の人工海浜の危険性について沖縄県北部土木事務所に訴えて
きましたが,認められず,予定通り南側に人工海浜を完成させました。
この南側の人工海浜がどのような変化をするのか見極めたいと思います。
まだ北側の人工海浜では水難事故は発生していませんが,
遊泳している人や波打ち際で遊ぶ子どもたちなどをよく見かけています。
事故が発生しないことを祈るばかりです。
県や市は,今回の事故の背景にあることをよく調査し,
今後の安全対策を早急に行ってほしいと願います。
昨日7月17日の沖縄タイムスの朝刊に悲しい事故が掲載されました。
沖縄県うるま市勝連浜の人工海浜(浜比嘉島)の防波堤で一人で釣りを
していた小学1年生(6歳)の男の子が溺れて亡くなりました。
新聞によると目撃者がおらず溺れたいきさつはわからないそうですが,
男の子は母親湖らと約20人で浜を訪れていたが,事故発生時は一人で
防波堤の上で釣りをしていたといいます。
現場は高潮・浸食対策事業で整備された海岸で,県条例に基づく
海水浴場ではないため監視員などはいないそうです。
現場の近くにいた新里区長の話しを新聞から引用すると
「…防波堤の下は急に深くなっているという。以前は波打ち際から防波堤まで
緩やかに深くなっていたが,5月の台風2号で砂が流れたからではないか。…」


この新聞記事を読んで,私や市民の会が危惧している名護東江の
人工海浜の危険性と類似しているかもしれないと思いブログに
書いてみました。

市民の会では,名護市東江の高潮対策事業に関わる
養浜(人工海浜を造成すること)に対し,同現場北側に位置する
既設の人工海浜の危険性を沖縄県北部土木事務所や東江区の住民を
交えた意見交換会で訴えてきました。
また市民の会の一員でもある私も個人的に新聞やブログとんとんみー通信
の中で東江の高潮対策事業のことを公開してきました。
東江の人工海浜の危険性と問題点は次ぎのとおりです。
1.波打ち際から急に深くなっている。(浜の勾配が急)

2.サンゴ礁由来の砂(チービシ産)なのでちょっとした波で海が白濁する。
もし,水難事故が起これば濁った水中で要救助者を見つけることは
容易ではない。

3.外見上人工ビーチと変わらない。(実際は高潮対策に基づく構造物なので
ビーチではないが誰でもが立ち入れ,泳ごうと思えば泳げ,注意書き等の
看板は見あたらないし監視員はいない,地域外から来た人はその海の
特徴などを知らない)
下の写真でわかるとおり波打ち際からちょっとのところから
どん深(濃紺)となっているがビーチではあり得ないことと思う。

4.上記1のような状態にも関わらず,浜なので人々の海に対する
警戒心がうすい。
また,同伴者も警戒心がゆるむ。(浜は安全という先入観)



上記の件をまとめたブログを以前つくっていますのでよろしければ
こちらも参考にしてください。
とんとんみー通信
人工海浜の危険性 http://ari3tsu.ti-da.net/e3289814.html
今朝7月18日の沖縄タイムスには良い記事がありましたので
掲載します。

人工海浜は,事故が起きた勝連の浜や東江のように高潮対策事業として
養浜する場合がありますが,構造上,遊泳するための人工ビーチとの違いは
どういうところにあるのでしょうか。
この辺りは専門知識の乏しい私には難しいところですが,見た目から
二者を比較すると浜の長さについて言えば人工ビーチはより緩やかな
勾配に対し高潮対策の人工海浜はやや短く,勾配も急であるように
思います。また東江の北側にある既設の人工海浜は,今年になってから
来襲した台風の風と波で砂が浜の上の方に押し上げられ浜の形が大きく
変わりました。後日小型のブルドーザーで砂を押し下げていました。
東江の人工海浜には比重の重たいチービシの砂が使われています。
比重が重たいと波の力による浜の勾配が急角度になるという説明を
泡瀬人工島関連の資料から見つけましたが,断言はできません。
この点をよく勉強してみようと思います。
浜は子どもでも安心して遊ぶことができるという思い込みが
危険だと思います。浜といっても自然が造り上げたものではなく,
人工的に造ったものなのです。浜がもともと無い場所に砂をよその海から
持ってきて浜を造ることがその場所の自然環境(波の強さや流れ)と
関わったときにどういう状態になるかをよく調べ,危険だと思われる箇所は
地域住民や来訪者に対し適切な説明(看板やパンフレット)を
行わなければならないと思います。また,人工海浜を造ること事態,
さまざまな角度から徹底的な議論がなされる必要を感じます。
市民の会は東江高潮対策事業で現場の南側の養浜工事に対し,
生きものがたくさん住んでいる海を埋めない方法を考えることと,
北側の既設の人工海浜の危険性について沖縄県北部土木事務所に訴えて
きましたが,認められず,予定通り南側に人工海浜を完成させました。
この南側の人工海浜がどのような変化をするのか見極めたいと思います。
まだ北側の人工海浜では水難事故は発生していませんが,
遊泳している人や波打ち際で遊ぶ子どもたちなどをよく見かけています。
事故が発生しないことを祈るばかりです。
県や市は,今回の事故の背景にあることをよく調査し,
今後の安全対策を早急に行ってほしいと願います。
Posted by 有光智彦 at 13:39
│名護市東江 人工海浜
この記事へのコメント
昨日の沖縄タイムスは私も読みました。
悲しい事故です。
うるま市のほうは人工海浜なので、砂が流されたからではないか、との事。
「人工海浜では砂が流れる」ということは、このとんとんみー通信で知りました。
それまでは人工海浜が危険だという認識が、全くありませんでした。
いえ、むしろ人工的に造ったのだから「整備が行き届いて安全」だと思っていました。
学校などでは「海の危険生物」などを教わった記憶はありますが、「人工砂浜が危険」というのは教わった記憶がありません。
今回の事故を受けて、教育機関などでも注意喚起をしてほしいと思います。
悲しい事故です。
うるま市のほうは人工海浜なので、砂が流されたからではないか、との事。
「人工海浜では砂が流れる」ということは、このとんとんみー通信で知りました。
それまでは人工海浜が危険だという認識が、全くありませんでした。
いえ、むしろ人工的に造ったのだから「整備が行き届いて安全」だと思っていました。
学校などでは「海の危険生物」などを教わった記憶はありますが、「人工砂浜が危険」というのは教わった記憶がありません。
今回の事故を受けて、教育機関などでも注意喚起をしてほしいと思います。
Posted by アナログ
at 2011年07月18日 16:37

アナログ 様
こんばんは。
ある海岸工学の専門家が沖縄のいくつかの防災目的の護岸や人工ビーチ造成の設計に関わっていることを知りました。この人の思想は人間の命を守ることが一番大事だというもので,一見するとすばらしい思想の持ち主のようですが,他方犠牲となる生きものたちの配慮は無のようでした。このたった一人の男の思想が行政と連携し工事方法の方針を決定していたと推定すると,私はとても恐ろしいものを感じました。
現在は行政が行う事業の指針の中でよく市民と一体になった草案づくりと
歌われていますが,実際は反論者不在の会議をしていないでしょうか。
本気で現在行おうとしている事業について賛否両論を交え,その必要性や危険性について真剣に精査しなければ,危険性の盲点を今回も一過性の不幸な出来事としてむやむやになると思います。
アナログさん,コメントありがとうございました。
こんばんは。
ある海岸工学の専門家が沖縄のいくつかの防災目的の護岸や人工ビーチ造成の設計に関わっていることを知りました。この人の思想は人間の命を守ることが一番大事だというもので,一見するとすばらしい思想の持ち主のようですが,他方犠牲となる生きものたちの配慮は無のようでした。このたった一人の男の思想が行政と連携し工事方法の方針を決定していたと推定すると,私はとても恐ろしいものを感じました。
現在は行政が行う事業の指針の中でよく市民と一体になった草案づくりと
歌われていますが,実際は反論者不在の会議をしていないでしょうか。
本気で現在行おうとしている事業について賛否両論を交え,その必要性や危険性について真剣に精査しなければ,危険性の盲点を今回も一過性の不幸な出来事としてむやむやになると思います。
アナログさん,コメントありがとうございました。
Posted by 有光智彦 at 2011年07月18日 22:49