2011年11月11日

泡瀬干潟・埋め立ての様子

先月始まった護岸で囲まれた部分への埋め立ては現在も止まることなく
続いています。このことは内地の新聞でも取り上げられています。
たくさんの人が疑問を持っているはずです。

埋め立てに使われている土砂は近くの航路を浚渫(しゅんせつ:大きな
船舶が通れるように海底を掘り下げること。)したヘドロです。
泡瀬干潟の埋め立て事業は,航路浚渫で出た泥を捨てる場所を
造るためでした。

環境省は泡瀬干潟を2010年9月にラムサール条約登録湿地の候補に
あげています。

このヘドロで生きものを生き埋めにしているのですが,護岸の外へ
しみ出すことも懸念されています。
泥を入れた分,中の水は当然あふれると思うのですが‥。

工事の様子は陸側からは望遠鏡を使わないとよくわかりません。
それでも,埋め立てのシステム全体を見ることはむずかしいと
思います。その意味で沖側から見た工事の様子をアップします。

以下の写真は船の上から撮影したものです。
警戒区域があるため,現場には近づけませんので,高倍率のレンズを
使って撮影しています。多少手ぶれがあるかも。

写真をクリックすると大きくなります。

泡瀬干潟・埋め立ての様子

左の大きくて青い作業船がヘドロを圧送船で右の黒い船がヘドロを
運んできた船です。ヘドロは巨大な2台のシャベルカーですくい取り,
圧送船のタンクの中に放り込まれます。

泡瀬干潟・埋め立ての様子泡瀬干潟・埋め立ての様子

圧送船の船上には大型のディーゼル発電機がたくさん積み込まれています。
膨大な電力が必要なのでしょうか。

泡瀬干潟・埋め立ての様子

ヘドロは空気と一緒に配管を伝い,埋め立て地の護岸を越えて
送り込まれています。

泡瀬干潟・埋め立ての様子

ヘドロが排出される先端は時折ガスが抜けるようにヘドロと一緒に
吹き上げていました。

泡瀬干潟・埋め立ての様子泡瀬干潟・埋め立ての様子

圧送船は自分で移動する推進機関を持っていないので,大型の引き船が
どこからか引っ張ってきたものでしょうか。内地からなら到着するまで
相当時間がかかったことでしょう。
船体のハウス部分に描かれたミズタマの絵が作業内容とマッチしません。

泡瀬干潟・埋め立ての様子

下の写真は工事が始まって間もない時,現場の海で撮影したものです。
海面反射がありますので偏光フィルターを使用しています。
海底が分かるほど水が澄んでいます。
遠くにヘドロ圧送船が見えます。右方向が護岸で囲まれた工事区域です。

泡瀬干潟・埋め立ての様子

このような美しい海をもう二度と見ることが無いかもしれません。
現在もこの事業に疑問を持っている方々が全力をつくしてなんとか
工事を止められるように頑張っておられます。

泡瀬干潟の岸にこの海を守っている龍神様がお祭りされています。
どうか海の生きものたちを守ってあげてくださいとそこを通るたびに
お願いしています。


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Posted by 有光智彦 at 23:51 │海 泡瀬干潟