2011年03月26日
命を埋める
養浜(砂を入れて人工海浜を造成)の工事が始まりました。
海にどんどん砂が入れられます。
写真をクリックすると少し大きくなります。
今回の写真は非常にショッキングなものです。
生きものたちが砂に埋められていく写真です。
どうか見る覚悟のある方だけクリックして頂くように
お願いしたいと思います。
ですが,その現実に起きていることをみんなに見てほしいと思います。
特に行政の方々に見てほしい。
これが,埋め立ての姿です。海の中の様子は誰も見たことが無いと思います。

ダンプが5分おきに砂を運んできます。
この小さな海にダンプ約5000台分の砂を入れるのだそうです。

海はあっという間に白濁していきます。
工事の完成までには3ヶ月ぐらいかかるそうです。
その間にこの海の生きものたちは白濁の汚染に痛めつけられるのです。
そして,推定300歳の塊状ハマサンゴも埋められるのです。

砂で埋めた先から何十トンもある重機が加重をかけて砂を固めていきます。
その下にはたった今まで元気に生きていた生きものが埋まっているのです。
私は,砂投入作業の現場で砂に埋もれていく生きものたちを
撮影しようと海に入りました。
そこは既に入れられた砂で砂浜ができはじめていました。


しかし,辺り一面真っ白で何も見えません。
足下から何かにひっぱられそうでとても恐怖を感じます。
その中で何度も潜水を試みました。
海底までの深さがわかりませんから,腕を伸ばして潜ります。
手に何か当たれば顔を寄せて物体を確かめました。
しかし撮影は出来ないなとあきらめていたら,潮の流れが変わったのか
少しだけ透明度が上がりました。でも相変わらず水面から海底は
目視できません。
何度も潜るうちに写真が撮れる状態になりました。
私は見ました。まさに砂に埋もれる寸前の生きものたちを。
ソフトコーラルの直ぐ横まで砂の壁がせまっています。
そこには魚もいます。何故逃げないのでしょうか。


このソフトコーラルと魚たちは護岸の直ぐ近くに生きていました。
大きさは1メートルを越えていて,たくさんのスズメダイなどが
住んでいました。

今でもよく憶えています。
それが,埋められていくのです。どうすることもできない。
他にも魚の姿がたくさんありました。
その魚たちは,自分のなわばりから離れようとしないようです。
そこが彼らの唯一の安住の地だからでしょうか。
私は砂が入れば魚だけでも逃げるものと思っていました。
でもそうではないようです。
魚は危険が迫れば岩の巣穴やソフトコーラルやサンゴに逃げ込みます。
そのまま砂に埋もれてしまうのかもしれません。
なんということでしょうか。


ウニ,ナマコ,サンゴ,シャコガイ,ヤドカリ,オコゼ,ギンポ,海藻…
いつも見ていた生きものたちが埋まっていきます。










シャコガイが苦しそうです。思わず砂を払いました。

サンゴの赤ちゃんが崩れ落ちる砂を被っています。

海藻も砂に埋もれていきます。

視界が開けた時間は30分ぐらいでした。
それでまた真っ白に濁ってしまいました。
もう二度と見ることのできない世界です。

みんなが人間の幸せのことだけでなく,生きものの命のことも考えて
ほしいという願いでいっぱいです。
個人的には,止められるものなら止めたい工事です。
先日の満月が最後になった生きものがいます。

最後の太陽の光を浴びたのはいつのことでしたでしょうか。
人間は,罪深い生きものだと思います。
海にどんどん砂が入れられます。
写真をクリックすると少し大きくなります。
今回の写真は非常にショッキングなものです。
生きものたちが砂に埋められていく写真です。
どうか見る覚悟のある方だけクリックして頂くように
お願いしたいと思います。
ですが,その現実に起きていることをみんなに見てほしいと思います。
特に行政の方々に見てほしい。
これが,埋め立ての姿です。海の中の様子は誰も見たことが無いと思います。

ダンプが5分おきに砂を運んできます。
この小さな海にダンプ約5000台分の砂を入れるのだそうです。

海はあっという間に白濁していきます。
工事の完成までには3ヶ月ぐらいかかるそうです。
その間にこの海の生きものたちは白濁の汚染に痛めつけられるのです。
そして,推定300歳の塊状ハマサンゴも埋められるのです。

砂で埋めた先から何十トンもある重機が加重をかけて砂を固めていきます。
その下にはたった今まで元気に生きていた生きものが埋まっているのです。
私は,砂投入作業の現場で砂に埋もれていく生きものたちを
撮影しようと海に入りました。
そこは既に入れられた砂で砂浜ができはじめていました。


しかし,辺り一面真っ白で何も見えません。
足下から何かにひっぱられそうでとても恐怖を感じます。
その中で何度も潜水を試みました。
海底までの深さがわかりませんから,腕を伸ばして潜ります。
手に何か当たれば顔を寄せて物体を確かめました。
しかし撮影は出来ないなとあきらめていたら,潮の流れが変わったのか
少しだけ透明度が上がりました。でも相変わらず水面から海底は
目視できません。
何度も潜るうちに写真が撮れる状態になりました。
私は見ました。まさに砂に埋もれる寸前の生きものたちを。
ソフトコーラルの直ぐ横まで砂の壁がせまっています。
そこには魚もいます。何故逃げないのでしょうか。


このソフトコーラルと魚たちは護岸の直ぐ近くに生きていました。
大きさは1メートルを越えていて,たくさんのスズメダイなどが
住んでいました。

今でもよく憶えています。
それが,埋められていくのです。どうすることもできない。
他にも魚の姿がたくさんありました。
その魚たちは,自分のなわばりから離れようとしないようです。
そこが彼らの唯一の安住の地だからでしょうか。
私は砂が入れば魚だけでも逃げるものと思っていました。
でもそうではないようです。
魚は危険が迫れば岩の巣穴やソフトコーラルやサンゴに逃げ込みます。
そのまま砂に埋もれてしまうのかもしれません。
なんということでしょうか。


ウニ,ナマコ,サンゴ,シャコガイ,ヤドカリ,オコゼ,ギンポ,海藻…
いつも見ていた生きものたちが埋まっていきます。










シャコガイが苦しそうです。思わず砂を払いました。

サンゴの赤ちゃんが崩れ落ちる砂を被っています。

海藻も砂に埋もれていきます。

視界が開けた時間は30分ぐらいでした。
それでまた真っ白に濁ってしまいました。
もう二度と見ることのできない世界です。

みんなが人間の幸せのことだけでなく,生きものの命のことも考えて
ほしいという願いでいっぱいです。
個人的には,止められるものなら止めたい工事です。
先日の満月が最後になった生きものがいます。

最後の太陽の光を浴びたのはいつのことでしたでしょうか。
人間は,罪深い生きものだと思います。
Posted by 有光智彦 at 03:07
│名護市東江 人工海浜
この記事へのコメント
ついにこんな状況になってしまったのですね、、、
つらい気持ちを抱きつつ写真を撮って
公開していただきありがとうございます。。。
つらい気持ちを抱きつつ写真を撮って
公開していただきありがとうございます。。。
Posted by グリーン at 2011年03月27日 13:37
グリーン 様
私が主張し続けている生命への畏敬という視点は,この社会構造の中では,
無いに等しいもののようです。東江の小さな海は,サンゴの被度という科学的
手法によって埋めてもいいという結論となりました。
私が何度も北部土木事務所に対し,この海にはたくさんの命の営みが
あることを写真を使って伝えてきたのですが,全く考慮されませんでした。
あまりにも違いすぎる思想の差でした。
この差では議論の余地はありません。
今の社会のあり方が正しいのかどうか疑問に思います。
各国先住民の暮らしは,自らも自然により作られ,
自然から生かされていることを知っています。
人間の叡智は先住民の思想の中にあるような気がして
なりません。
小さな海の命の営みが,そのひとかけらさえも
省みられることなく,重機によって埋め殺されていく現実を
目の当たりにしていると無力な私を実感します。
ですが,この思想の差を縮めることが私に課せられた
使命だとも思っています。これからも,くじけることなく,
生きものたちの営みを伝えていこうと思います。
私が主張し続けている生命への畏敬という視点は,この社会構造の中では,
無いに等しいもののようです。東江の小さな海は,サンゴの被度という科学的
手法によって埋めてもいいという結論となりました。
私が何度も北部土木事務所に対し,この海にはたくさんの命の営みが
あることを写真を使って伝えてきたのですが,全く考慮されませんでした。
あまりにも違いすぎる思想の差でした。
この差では議論の余地はありません。
今の社会のあり方が正しいのかどうか疑問に思います。
各国先住民の暮らしは,自らも自然により作られ,
自然から生かされていることを知っています。
人間の叡智は先住民の思想の中にあるような気がして
なりません。
小さな海の命の営みが,そのひとかけらさえも
省みられることなく,重機によって埋め殺されていく現実を
目の当たりにしていると無力な私を実感します。
ですが,この思想の差を縮めることが私に課せられた
使命だとも思っています。これからも,くじけることなく,
生きものたちの営みを伝えていこうと思います。
Posted by 有光智彦 at 2011年03月28日 00:20